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column

September 14, 2023

amo-amoの国のフーミン
vol.14 編み物修行と糸処理修行

「編み物」って、
なんか面倒くさそうなイメージですか?
たぶん…、そうですよね。

面倒くさがり屋で、間違っても几帳面とは言えない私が、
編み物だけには、忍耐強く一生懸命になれる理由。
それは、「編むこと」自体がもつ、
マジカルなパワーにあるような気がします。

このコラムでは、それがいったいどんなものなのか、
今話題の「ニットセラピー」という視点を交えながら、
実体験や等身大の感覚とともに紹介していきます。

あなたの毎日に、“編み物”という小さな種が、
ときめきの
花と、
よろこびという大きな果実をもたらしますように。

by fumiyo osako





vol.14 >>> 編み物修行と糸処理修行

こんにちは、編み物大好きFOOMIN(フーミン)です。
9月に入って、朝晩はだいぶん涼しく、過ごしやすくなってきましたね。
そしてみなさま、いよいよ編み物シーズンの到来です!

なんて言いながら、私は季節感ナシの編み物耐久マラソンを続けている真っ最中。
新しいものを編み始められるワクワクと、編み終わったときの達成感の間に、
果てしないステップ・バイ・ステップならぬ、ステッチ・バイ・ステッチを積み重ねているところです。



■最近で修行度No1だった編み物課題1:シェットランド・レースのストール
(ヴォーグ学園/嶋田俊之先生のトラディショナルニット講座より)
編むのは楽しい。でも、編んでも、編んでも、進まない…。果たして、この冬完成したストールを首に巻くことができるのか…!?




編み物のなかで一番楽しいのは、やはり「編む」こと。
編み地が大きくなっていく喜び、模様ができてくる喜び、そして完成に近づいていく喜び。
編むだけでよければ、どんなに楽しいことでしょう…。
しかし、編み物には最後の最後に立ちはだかる関門があるのです。
それが「糸処理」。

今回は、編み物好きの本気度を試される修行のひとつ、「糸処理」について書いてみたいと思います。



■「フェアアイルのポーチ」(ヴォーグ学園/嶋田俊之先生のトラディショナルニット講座より)
左が糸処理前の裏側




最近、私をうならせた糸処理修行の1つが、「フェアアイルのポーチ」です。
フェアアイルは、イギリス・スコットランドのシェットランド諸島フェア島が発祥とされる、
400年以上の歴史をもつ伝統柄のこと。幾何学模様の組み合わせとカラフルな色使いとが特徴です。

こちらは、美しく繊細なデザインに定評のある嶋田俊之先生のデザイン。
地色4色、配色4色をほぼ3~4段おきに変えながら編むのですが、
その度に糸を切って付け替えるので、編みはじめの部分にはまるでフリンジのような糸処理ゾーンが…。
編み進むにつれ立ち上がっていく、伝統柄と繊細な色のグラデーションをみてニヤニヤできる一方で、
裏面を見ると糸処理地獄が広がるという「アメと鞭」な1作品でした。



■かぎ針編み入門コースの「ポンチョ風プルオーバー」




こちらは、1辺6.5㎝のモチーフを前見頃・後ろ見頃で126枚編み繋げたプルオーバー。
小さなモチーフをいっぱい編み続けられる楽しみと、
それを編み繋ぎながら長方形のプルオーバーに仕立てていく喜びはひとしおなのですが、
こちらも裏を見ると、ぎょっとするほどの糸端まつり。

2色づかいなので、モチーフ1枚につき、編みはじめと編み終わりで最低4本の糸端ができるんですよね…。
つまり、単純計算でも504本の糸処理が発生!
ということで、こちらは2カ月前に編みあがっているにもかかわらず、
まとまった糸処理時間がとれないまま、いまだに提出できずにいる代物です(涙)。
どこかに、夜中にこっそり糸処理をしてくれるやさしい小人さんがいないかな…。


最後に、糸処理について。

「編地が解けないように、糸端を結んだほうがいいのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、
結ぶと見た目も不格好で、最悪、結び目から編み地がほどけてしまう危険性があるため、基本的にはNG。
ズボラ―な私は、以前、糸処理を減らすため、
ほどけにくいといわれる結び目で毛を継ぎ足していたことがあるのですが、
やっぱりちょっと違和感があるので、それを隠そうと結び目をいじっていたら、見事にほどけ、
結局その部分を編み直す羽目になったことがありました(汗)。

また、かぎ針編みの場合は、糸端を編みくるんでいく方法もあります。
もちろん、気にならない人にはいいのですが、こちらも編みくるんだ部分が膨らんだり、
不格好になったりして、仕上がりの美しさとしてはイマイチなんですよね。
結局、面倒そうに見えても、とじ針を使って糸処理するほうが、より簡単にキレイに仕上がります。



■右はダイソーのとじ針、中央はクローバーの手芸用とじ針。左上は、老眼世代にむちゃくちゃオススメの便利グッズ・糸通し!



糸処理には、針先が丸く、糸を通す穴が毛糸用に広くなっているとじ針を使います。
(ちなみに、ウェアの袖などのとじハギには、先がとがったシャープポイントのとじ針を使います)

金属製のものやプラスチック製のものがありますが、個人的には金属製のほうが使い心地がいい気がします。
編み針は、断然手芸メーカーのものがおすすめですが、
とじ針は100均のものでも使い心地にほとんど大差はないので、
中細~極太までの糸を処理できる3~4本セットで持っておくのがおすすめです。

糸処理の仕方は、基本「適当」でOK。
ただ、次のポイントは抑えるようにしましょう。

1. 編地の表面に響かないように裏側で処理すること
2. 抜けにくいように糸を割って処理すること
3. 編みはじめと編み終わりの糸はなるべく端の方で処理すること
※糸に余裕があれば、糸の継ぎ足しをなるべく両端でするといいそうですよ。
(糸がもったいないので、私は段の途中で継ぎ足すことが多いですが)

私の場合、目に沿ってまっすぐひと方向に針を入れるより、
編み目に沿わせつつも、たまにジグザグと斜めのラインにも針を入れることが多いです。
ただ、やりすぎは編地を乱してしまうのでご注意を。

編み物と同じように、糸処理も瞑想感覚でできるようになれれば…。
「マインドフルネスな編み物」と「ストレスフルな糸処理」のはざまで、
日々もくもくと編み物修行を続けるフーミンなのでした。



●文/FOOMIN

■■プロフィール■■

●大迫 章代(FOOMIN/フーミン)…『amo-amo』幹事(日本手芸普及協会認定:棒針編み講師)。
編み物好きな叔母の影響で幼い頃から編み物に親しむ。
タウン誌の編集者、映画パブリシストなど、30代まで編み物とは無縁の生活を送っていたが、40代で休業し渡英したことをきっかけに編み物熱が再燃。
暮らしの中に編み物がある豊かな時間を多くの人に伝えたいと思うように。
帰国後は、フリーライター、編集の仕事をしながら、編むことで日々を癒すヒーリングニッターを目指す。現在、福岡市内を中心にゆるっと活動中。




つづく・・・
>>>次回は10/14頃に更新予定です。


前の記事を読む>>>『amo-amoの国のフーミン』




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