column
March 05, 2019
くじゅうの麓、白丹のルスカ scene11
【3月】 しだれ桜をめぐる
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3月中旬から下旬、白丹の『天神様のしだれ桜』が満開に
【3月】 しだれ桜をめぐる
今年の冬はそれほど冷え込むことなかったようだけれど、
それでも春が近づくと山々も大地も冬の堅さがほどけるように穏やかな表情となってゆく。
木々や花々は再び息を吹き返し、動物や虫たちも朗らかな大気の中、次々と姿を見せ始める。
そしてこの白丹地区にはしだれ桜が咲き始める。
ルスカの近所にも見事な大木が数本あり、多くの方々が満開の光景を求めてやってくる。
歩いて1分のところにある大木は『天神様のしだれ桜』と呼ばれ、県道沿いからもよく見える。
僕は南側のちょっと高台になった道から眺めるのが好きで、
くじゅうの山々とこのしだれ桜を見渡すことができる。
夜明けの光の中に咲きほこる満開のしだれ桜。
とてもぜいたくなるひととき。
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くじゅう大船山を背景に
ルスカの目の前にある木村さん宅の庭にも見事なしだれ桜があり、
この季節になると一般の方々にも開放されている。
樹齢100年は超えていると思われる大木が満開になる姿は庭に一歩入ると圧倒される。
春の喜びを一気に発散させているようだ。
そしてここのもう一つの魅力は鳥の声にまじって猫の鳴き声も聞こえてくること。
時々大木の前をウロウロ。
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木村家のしだれ桜
すぐ近所には本郷家のしだれ桜もあり、
白丹地区は柔らかな春の色彩に包まれる。
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車の窓から本郷家のしだれ桜
また車で20分ほど行った宮城地区には、
清水家の墓守桜と呼ばれる巨大なしだれ桜がある。
山間の高台にあり、民家の庭を抜けて田んぼ脇の道を登ってゆく。
昨年は月夜に照らされたこの道を歩いて登った。
そして高台の向こうに青白い光に照らされた満開の大木が見えてくる。
手の届かない世界にあるかのような不思議な光景。
清浄なるメロディーが月夜から生まれてくるような感動を覚えた。
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月夜の墓守桜
白丹地区のしだれ桜は、例年だと3月下旬あたりが満開。
今年は暖かいので少し早いかも。
個人宅の庭が多いのでマナーは守りましょう。
■白丹周辺の一本桜マップ
https://www.taketan.jp/courses/maps/document/sakura.pdf
【今日のルスカ】
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灯りをつけているだけで近所の方に喜ばれます
●写真・文/川上信也
■■プロフィール■■
●川上信也/フォトグラファー。1971年愛媛県松山市生まれ。
福岡大学建築学科卒業後、大分県くじゅうの法華院温泉山荘に1997年より5年間勤務。その間にくじゅうの風景写真、アジアの旅風景を撮り続ける。
その後福岡でプロ活動を開始し、様々な雑誌の撮影に関わり、風景のみならず、自然光を生かした人物、建築、料理など、様々な撮影を行なっている。
ライフワークとして九州の自然風景、身近な人々のポートレートを撮り続けており、定期的に写真集を出版、写真展やトークショーを開催している。
◎webサイト:『川上信也 Photographer』⇒ https://shinya27.wixsite.com/kawakami