◇◆ ゆるり楽しむ＊季節と薬膳 ◇◆

おいしく食べて幸運体質！

季節の変化を示す暦
二十四節気（にじゅうしせつき）に合わせて
気軽に楽しめる“薬膳”のお話しです。

第三十二話【春分】
フルーツはお好き？ 心ゆらめく春を乗り切る！

国際中医薬膳管理師の“ゆうゆう”こと熊谷優子です。

おいしく食べて幸運体質！を目指して、
気軽にできる薬膳をおススメしています。

3月20日から4月3日は、二十四節気の「春分」。
桜の開花状況が気になる頃ですね！

特に3月20日は「春分の日」で、昼と夜の長さがほぼ同じであり、
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として祝日になっています。

春分の日を境に、冬に優勢だった「陰」から「陽」へと転じていきます。
自然のあらゆるものが命の輝きでキラキラして、まぶしいくらいに「陽」を感じます。

そんな春は、進学や就職、人事異動や転勤など、環境の変化が多い時期でもあります。
寒暖差もあって体も影響を受けますし、心がざわめいたり揺らいだり…
ストレスを感じることもありますね。ええ、感じてますとも！（笑）

春は、「肝（かん）」に負担がかかりやすく、自律神経が乱れやすい季節でもあります。
肝が高ぶると、イライラ、不安感、不眠などがおきたりします。
こんな症状、出ていませんか？ 春は肝が高ぶりやすいもの。
「そういうのが起りやすい時期なんだ」と知っていたら、ちょっと心が落ち着きませんか？

というわけで、春は「肝」を整える食材を摂ることが大事です。
薬膳的に、肝は「血」を貯蔵するところと言われており、
「血」を補う食材、例えばにんじん、ほうれん草、ベリー類、
はまぐり、アサリ、イカ、ひじき、レバー、黒豆などですね！

それから、前回のコラムでお知らせした、春に出回る独特の「苦み」と「香り」のあるもの。

そして、「酸味」を上手に使いたいです。
酸味は肝の働きを助けると考えられていますが、摂りすぎはNG。
食事や飲み物にちょっと加えるくらいがオススメです。

そこでフルーツ！
フルーツは食事というより嗜好品で、ほぼ買わない、食べないという方もいますね。
春が旬のフルーツには、いちご、夏みかんやデコポンといった柑橘類、キウイフルーツ、びわなどがあります。
デザートなどにちょこっと取り入れてはいかがでしょう？ 紅茶にレモンもいいですね！

薬膳的効能を見てみると…
◆いちご：肝や脾（消化器系）を整える。暑気あたりや消化不良、イライラに。
◆オレンジ：胃の調子を整え、肺を潤す。気を巡らす。食欲不振、げっぷや吐き気に。
◆キウイフルーツ：渇きを止め、脾を整える。心を落ち着かせる。消化不良や食欲不振に。
◆びわ：肝や脾を整える。肺を潤す。咳や口の渇き、げっぷや胃もたれ、イライラに。

いちごは冬が旬じゃないの？と思いました？
いちごはハウス栽培が主で冬から出回りますが、もともとの旬は春から初夏なんですよ。
この4種のフルーツはイライラ対策によいですが、いずれも体の熱を冷ます性質ですし、
春の酸味は摂りすぎは避けたいですから、ほどほどに！

▶お料理の例では・・・
【いちご】…『いちごとオレンジとクレソンのサラダ』
肝を養い酸味と甘味のあるいちごは、春のイチオシ食材！
同じく酸味のオレンジと、肝の高ぶりを鎮めるクレソンを合わせました。

春休みにいちご狩りなんてどうでしょう？
旬のいちごを楽しく収穫、おいしく食べて、気分転換＆ストレス対策！ 一石二鳥ですよ～。




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●文／熊谷優子

■■プロフィール■■
●熊谷優子（ゆうゆう）…のんびり薬膳料理研究家
久留米市を中心に『薬膳悠々』として活動。
国際中医薬膳管理師、野菜ソムリエプロ、伝統発酵醸師の資格を持つ。
マイペースに薬膳を続けていたら、長年の冷え性・低血圧・胃弱が改善、気力も充実！
スーパーで買える身近な食材で、「おなかとカラダとココロ」が幸せになる食事づくりを提案。

薬膳・発酵料理教室、季節や体調に合わせたオリジナル薬膳茶体験など。
◎webサイト：『薬膳悠々』⇒https://www.yakuzen-yuyu.com/



つづく・・・
>>>次回は4/4頃に更新予定です。


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