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column

November 30, 2023

シャッター音を傍らに
scene45 【11月】あたふたの先に

福岡とくじゅう、時々その他…
街の中で自然にあこがれ、自然の中で街を想う
シャッター音が響くたびに、心が豊かになってゆく
そんな写真家が織り成すフォトエッセイ。
by kawakami shinya

毎月どこかで朝のドライブ




【11
月】あたふたの先に


今月はいつものように紅葉を追いかける月となった。

毎年お決まりのようにこの季節は九州各県の紅葉を追いかけて南下している。何だか渡り鳥みたいだ。
もちろん撮影場所は毎年様々いろんな場所になるので、新たなる発見もありとてもやりがいのある撮影だけれど、
今年の秋は猛暑の影響で予定していた場所の紅葉はことごとく状態が悪かった。
なかなかノルマを達成できずに走行距離ばかり長くなり、
思えば雲海を求めてあたふたしていた先月に続き、連日というか連月のあたふたの秋なのだ。



紅葉はイマイチでも虹が見えた

紅葉はイマイチでも彩雲が見えた



しばらく気分転換に白丹へ。
ちょうどその日にビートルズが新曲リリースというので気分を盛り上げようと聴いてみたけれど、
こんなあたふたな秋にぴったりの切ないメロデイ。
なので音楽も切り替えて兄から借りたReレッド・ホット・チリ・ペッパーズをかけ続けていた。
今年の秋のテーマ曲はレッチリだな。

そして毎日早起きしてレッチリを聴きながら高原へと向かい、深呼吸する日々を送っていた(もちろん撮影も)。


ススキの先に朝焼けの飛行機雲

高原のお気に入りの場所から朝日を



改めてこういう気分転換の大切さを実感しながらの4日間、
何とかあたふたの連鎖は断ち切れたんじゃないかなと。

そして新たなる撮影地へ。

向かったのは築上町にある『メタセの杜
今年は様々な場所でカエデの状態が悪かったので、メタセコイヤの紅葉ならもしかしてと行ってみたのだ。
すると西洋画のような素晴らしい紅葉並木が続いていた。
この道の先に何かいいことがありそうな、そんな予感を抱かせる鮮やかな並木道だ。



メタセコイヤの並木道



この日は夕方の光を狙ってやってきたけれど、朝の光も撮影してみたいと次の日も再びこの並木道へと向かった。
来る途中にある曽根干潟では日の出を撮影。

 

曽根干潟から朝日を



やっと出会えたという感激と、ようやくあたふたから抜け出せたという安堵。
風景にあたふたしながら、いつも風景に助けられている。

 

朝の光に輝くメタセコイヤ

 




●写真・文/川上信也

■■プロフィール■■
●川上信也/フォトグラファー。1971年愛媛県松山市生まれ。
福岡大学建築学科卒業後、大分県くじゅうの法華院温泉山荘に1997年より5年間勤務。その間にくじゅうの風景写真、アジアの旅風景を撮り続ける。
その後福岡でプロ活動を開始し、様々な雑誌の撮影に関わり、風景のみならず、自然光を生かした人物、建築、料理など、様々な撮影を行なっている。
ライフワークとして九州の自然風景、身近な人々のポートレートを撮り続けており、定期的に写真集を出版、写真展やトークショーを開催している。
◎webサイト:『川上信也 Photographer』⇒ https://shinya27.wixsite.com/kawakami

■前シリーズ『くじゅうの麓、白丹のルスカ』(2018年5月~2019年4月)はコチラから →