子どものみんなに、
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『こどもことば相談室』
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こどもことば相談室
第一回「ごますりとおせっかい」

小中学生のための個別指導『como塾』のハッシーです。

これから、同じく水曜開催の
『大人の文章スクール&サークル』講師・じじぃHさんと交代で、
1週毎にコラム『ことばのフリースクール』講義をお送りします。

私は“ハッシー先生”として、
こどもや、昔こどもだったみなさんの質問にお答えしていきます。

それでは早速、最初の質問にいってみましょう。



【質問】
どうしてお世辞を言ったりする人のことを「ごますり」っていうの？
福岡県・Nくん（小学3年生）

【回答】
Nくんこんにちは。

Nくんは、ごまをするところを見たことがあるかな？
「すり鉢」という、内側に溝がある丼のような鉢の中にごまを入れて、
「すりこぎ」という棒でゴリゴリすり潰すと、いろんな料理に使える「すりごま」ができるんだ。

このとき、すったごまが鉢の中であちこちに引っ付くんだけど、
それが「あちこちで人に引っ付いてお世辞を言ったり機嫌を取ったりする人」みたいということで、
そういう人のことを「ごますり」と言うようになったんだよ。

ちなみに、ごますりとは違うけど、同じようにちょっと困った人を表す「おせっかい」という
言葉は知ってるかな？　頼まれてもいないのに人の世話を焼いたり、
人の事にずかずか入ってくるような人のことだね。
この言葉も、すり鉢から生まれた言葉なんだ。

すり鉢の溝に引っ付いた「ごますり」たちをかき落とす道具のことを「せっかい」というんだけど、
せっかいは細かい溝の内側にぐいぐい入り込んでいく。
その様子が、他人の事にずかずか入り込もうとする人みたいだから、
せっかいに「お」を付けて「おせっかい」。

昔も今と変わらず、ちょっと困った性格の人は話題になりやすかったんだね。
そしてそんな人を何かに例えるとき、頭に浮かぶのはやっぱり普段よく目にするもの。
つまり、この言葉が生まれた時代には、ごますりやすり鉢が
多くの人にとって日常でよく見るものだったんじゃないかな。

ある言葉がいつ、どうして生まれたのかを考えてみると、
当時の人々の考え方や暮らしぶりが見えてきて面白い。
ぜひNくんもいろんな言葉の生まれ故郷を訪ねてみてね。

 
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みなさんからのお便りお待ちしています！

※言葉の由来や語源には諸説あります。言葉に詳しい大人のみなさんも、一説としてご笑納ください。

●文／橋本 文平


■■プロフィール■■
●橋本文平（ライター／エディター）1978年福岡生まれ。
立教大学卒業後、学習塾、予備校、タウン誌出版社、県庁を経て、フリーのライター・エディターに。
『メイドイン編集舎』として、取材・原稿作成等の制作仕事をしながら、ライター教室や、小中学生の個別指導塾『como塾（コモじゅく）』の講師としても活動中。
文章、言葉、教育、映画に関心があり、好きな映画は宇宙系以外の名作。『ゴッドファーザー』『風の谷のナウシカ』『男はつらいよ』ほか多数。
◎webサイト：『MADE IN…』⇒　https://monokoto-madein.jp




つづく・・・
>>>>>>次回はじじぃHの『ことばのたび』。10/18頃に更新予定です。




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