想いにふれる メイドイン

予防が大事。うがい&手洗い頑張ろう!

column

December 08, 2020

いいにおいのする台所研究所
第12回「なんでこんなことをやっとるのか、の件について少し」

ワクワク。

場所の名前は、「いいにおいのする台所研究所」。
ここで私が皆さんと食べものの話をするのです。
誰に気兼ねすることなく、
最初から最後までずっと食べものの話をするのです。

ドキドキ。

ここでしばらく時間をかけて趣旨説明をします。
これを読んで、そういうことなら私も食べものの話をしに行きたいな、
と思ってくださったらば、あなたもどうぞスタジオへお越しください。
by natsuko kawakami


青菜の胡麻和え。これはほうれん草の甘い和え物





12)「なんでこんなことをやっとるのか、の件について少し」

こんにちは。
『いいにおいのする台所研究所所長のカワカミです。
今日はちょっと昔話をしたいと思います。
コポポポポ。(お茶を入れる音)


私カワカミは、グラフィックデザイナーです。
以前は勤め人をやっとりましたが
29歳の時にフリーになって18年、仕事場は自宅です。
そこへ来てこの『いいにおいのする台所研究所開所。何やってるんすか、と。

そもそもグラフィックデザインだってちゃんと勉強したことはないんです。
英語が専門の大学を出て営業職で入社した印刷会社で、
私の後ろの席にデザイン職の同期が座ってましてね。
初の社会人生活に張り切っていた私に対し、
何だかぼーっとした彼が猫背で座って見ていた画面には
ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」風の女性像と「ボーン」という起動音。

そう、「Adobe Illustrator 5」。懐かし〜〜〜い。
デザインソフトが立ち上がる起動画面でした。

大学を出るまでずっと趣味で絵を描いていた私は、それまで「デザイン」という言葉を知らなかった。
よって当然初めて見るデザインソフトに、そりゃあもうひっくり返るほどの衝撃を受けたのでした。
なんでやねん、と。なんでそんなおもろいもんあんねん。
知らんがな。知らんかったがな。22歳の春。

その道の人からしたらデザインを知らない私の方がおかしいでしょう。
絵を極められなかった自分にとって、
デザイン、中でも商業デザインという世界はとても面白かった。
そしてその道で仕事に就けなかった自分に愕然としてしまったのです。
今振り返るとなんだか間抜けな話。
でも当時は人生が終わったような気がしていた。
休みには1人で海で泣いていました。いやマジで。


結果から言うと、その会社に勤めている三年の間に営業として働き、転職してデザイナーになりました。
小さな会社だったので営業だけどデータの修正は当たり前でソフトはすぐにマスターしたし
業者としてやってくるデザイナーたちとの付き合いの中で、
デザインとは何ぞや、デザインとはどうあるべきなんか、
そしてデザイナーとして生きていくためには、を学びました。

私はこれをカニカニ戦法と呼んでいます。個人的に。

じわ〜っと。じわじわ〜〜〜っと。
お金をいただきながら学びを得て、ちょっとずつやりたいことに近づいて行く。

あれ?オヨヨ??むふふふふ???
砂浜の、遠く離れた岩場から岩場へ、じわじわじわじわ。気がついたら移動完了。
テッテレ〜♪ ぼくデザイナ〜!


さて、時は流れて。
私は過去から現在に至るまでいろいろと食べ物を扱う仕事に挑戦しております。
ホソボソと。いやカニカニと。この研究所にまつわる仕事もその一つ。
遥か彼方に見える岩場まで、カニカニかにかに。いざ、次の夢までエンヤコラ。

その最初の一歩になったのが
イートプランナー・コンドオ*ミユキさんのアシスタントという仕事でした。
月二回あるテレビの料理コーナーの本番に臨むための準備から片付けまでです。
その他撮影やイベント、コンペなど、コンドオさんの手が足りない、というときにお声がかかりました。
まあ毎回毎回たくさんの失敗をして散々なアシスタントでしたが、食べ物に触れる仕事はとても楽しかった。

デザインを辞めるつもりはないですよ。
デジタルなのに手仕事なので楽な物件はありませんが、大好きな仕事です。
ただ、人間に生まれたからには、そしてこの豊かな国の心安らぐ環境に恵まれたからには、
死ぬまでに一つでも面白そうなことはやってしまいたい。それを糧にしたい。



1月の講座では玄米とともにいただくおかずとして青菜の惣菜を作ります。
コンドオさんから習った青菜の湯がき方は青菜の滋養と色と歯応えを逃がしません。

青菜の惣菜は日本の食卓に欠かせないものです。
以前取材した定食屋のおかみさんは、年に一回ご褒美で海外旅行に行くのだそうです。
「結局、日本に帰ってから一番に食べたいと思うのは青菜の和えたのなのよね」と言っていた。
そのお店はもうないけれど、食卓の箸の先に青菜の碗が見えたら思い出す言葉です。

 

 

そして次回のコラムではこれ…

この話をします!!!




■■第二回講座
『鍋炊き玄米と、あの台所道具とともに生きていく』■■

日時】
2021年1月17日(日)   ※1/17(日)は満席になりましたので締切りました。
2021年1月19日(火)
※各回10時スタート13時終了予定

【場所
福岡市中央区薬院2-3-5 エコール薬院 602
「comogomo(コモゴモ)」内キッチンスタジオ(地下鉄薬院大通り駅からすぐ)

【定員
6名

【費用
お一人…4000円(座学、実技、ランチ付)
※玄米と一汁二菜のお昼ご飯をグループで作って食べていただきます。

持ってくるもの
マスク、エプロンをお使いの方はエプロンなど、
髪の毛が落ちないようにするための帽子または三角巾など、
各自手を拭いたりなどするためのタオル、筆記用具。

【新型コロナウィルス感染予防について】
*ご来場の際は、必ずマスクの着用をお願い致します。
*受付時の体温測定、洗面所にてうがい&手洗いをお願い致します。
*新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、講座を中止・変更することがあります。 
*体調が悪い場合の当日キャンセルを受け付けます。
第一回講座でも、参加者の皆様には感染症感染予防のために様々なご協力をいただきました。
今講座でも、より良い講座内容の実現と、感染予防対策の両立を目指しております。
ご協力をよろしくお願い致します。

【申込み方法】
題名に「鍋炊き玄米と台所道具」と書いて
①お名前
②連絡先(携帯電話番号等)
③ご希望の日時「1/17(日)」or 「1/19(火)」
④その他、ご質問・ご要望などあれば
を明記の上、下記のいずれかで『メイドイン編集舎』までお申込みください。

●WEBサイト:「contact」のメールフォーム →

●Email:info@monokoto-madein.jp

※こちらからの返信をもって受付完了となります。ご注意ください。
※最少催行人数(3名)に満たないときは、講座を中止することがあります。
※お子様向けの感染症対策、ソーシャルディスタンスの確保等が難しいため、未就学児のご同伴をご遠慮いただいています。
※予約後のキャンセルについては、事前にご連絡ください。



鍋炊き玄米と、あの台所道具とともに生きていく



つづく・・・
>>>次回は12/22頃に更新予定です。


前の記事を読む>>>『いいにおいのする台所研究所』



●写真・文/川上夏子

■■プロフィール■■

●川上夏子(かわかみ・なつこ)
1974年福岡生まれ。グラフィックデザイナー。ではあるけれども、著作があり、スタイリングもやるし、料理家さんの日雇いアシスタントもやります。
日々マッキントッシュの前に座りながら、頭の中はほぼ「何を作り何を食べるか」でいっぱいであります。
アラフィフの入り口に立ち、いよいよ人生の総まとめとして「食べものの作り手」として本格的に仕事をしていきたいと考えています!趣味は健康管理。
[著書
『小夏を探す旅』(2020年)
『ぼくらのいえができるまで できてから』(2016年)
『福岡のパンとお菓子の小さなお店』(2013年)
『福岡のまいにちごはん』(2012年)