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column

August 18, 2020

いいにおいのする台所研究所 第4回
生きていく長い時間を通してゆっくりと「ひびく」

ワクワク。

場所の名前は、「いいにおいのする台所研究所」。
ここで私が皆さんと食べものの話をするのです。
誰に気兼ねすることなく、
最初から最後までずっと食べものの話をするのです。

ドキドキ。

ここでしばらく時間をかけて趣旨説明をします。
これを読んで、そういうことなら私も食べものの話をしに行きたいな、
と思ってくださったらば、あなたもどうぞスタジオへお越しください。
by natsuko kawakami


大豆のロースト。オイルと塩に味噌も少しまぶし、オーブンでじっくり焼く。おやつにつまみに




4)生きていく長い時間を通してゆっくりと「ひびく」


やー!所長のカワカミです。
そろそろ具体的な話をしていかんといけません。
思ひ出やらふぃーりんぐやらではめしは食えんのです。

ワタクシの講座(もう大体おわかりですね、照れとか謙遜とか違和感で
「料理教室」と言えないワタクシなりの代替語なんでそこんとこザックリ汲んでやってください)では、
一つのテーマを取り上げて深く掘り下げることをムネとします。

 

「20分で4品、冷蔵庫にある食材でお洒落に家族喜ぶ!」
……みたいな講座ではないです。

テーマは例えば「玄米」とか「だし」とか。

なんつっても「食べものの話をしよう」、というのがウリですから、
そりゃもうどんどん狭く深く掘り下げていくわけです。
けれど掘り下げるだけありまして、基本的なところから入ります。
皆さんの顔色を伺いながら掘っていきます。ズンズンズン。

あ、その前にね、そこはかとなくバレているとは思うのですが、
一応お伝えしておきます。

今流行りの「時短」、……ではありません。

電子レンジも顆粒コンソメも使いません。

「インスタ?映え」……ません。

普通の茶色いおウチごはんです。

青いゼリーとか光るジュースとか作らないです。

「つくおき」……うん、
残ったら何か容器に詰めて冷蔵庫に入れてください。
おいしいから明日も明後日も食べたくなりますが、おいしいからそんなに残りません。

だって「時短」だの「映え」だのってもう
ネットでぽちぽちすればゴマンとやっとるじゃないですか。


まずはお茶とともに座学から入ります。
一回の講座で6人ほどのお客様をお招きします。
デモンストレーションをいたしますし、実技もやっていただきます。
レシピもお出しします。
終わりましたらでき上がったものをいただきながら
またお話をして終わりとなります。

 

米ぬかを炒ってたくさん加えた米ぬか蒸しパン

 


「今日習ったこれを家でもう一度やってみよう」、
ということになるとワタクシとしてもそれはとてもうれしいことです。

しかしそれとは別に、参加された皆さんがそれぞれに
「私ならこうやってみる」
「私はこれはできるけどこれはやらない」というふうに、
ワタクシが提示したテーマについてご自分なりに咀嚼し、
味わい直していただけるといいなと思います。

「ほめられ楽うまレシピ」みたいに、
一瞬で強い衝撃を与えるような華やかなおみやげはお渡しできないかと思います。

そうやって今すぐに効果が出るわけではないけれど、
1日三度の食事を通して自分に合ったやり方を
見極めボチボチ続けていくと、体が変わり、心が変わる。

生きていく長い時間を通して、食べる人にゆっくりと「ひびく」ごはんを作りたい。
これがワタクシの講座でお届けするテーマです。


つづく・・・
>>>次回は9/1頃に更新予定です。

 

畑でとれたばかりの里芋は急いで蒸籠に入れて蒸す。何もつけずに本当にうまい



前の記事を読む>>>『いいにおいのする台所研究所』



●写真・文/川上夏子

■■プロフィール■■

●川上夏子(かわかみ・なつこ)
1974年福岡生まれ。グラフィックデザイナー。ではあるけれども、著作があり、スタイリングもやるし、料理家さんの日雇いアシスタントもやります。
日々マッキントッシュの前に座りながら、頭の中はほぼ「何を作り何を食べるか」でいっぱいであります。
アラフィフの入り口に立ち、いよいよ人生の総まとめとして「食べものの作り手」として本格的に仕事をしていきたいと考えています!趣味は健康管理。
[著書
『小夏を探す旅』(2020年)
『ぼくらのいえができるまで できてから』(2016年)
『福岡のパンとお菓子の小さなお店』(2013年)
『福岡のまいにちごはん』(2012年)