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column

December 19, 2019

シャッター音を傍らに ~福岡⇔くじゅう白丹~
scene06 【12月】「comogomo」なる日々 ソウルから薬院へ

福岡とくじゅう、時々その他…
街の中で自然にあこがれ、自然の中で街を想う
シャッター音が響くたびに、心が豊かになってゆく
そんな写真家が織り成すフォトエッセイ。
by kawakami shinya

カラフルな麻の布が棚一面に並ぶ

 


【12月】「comogomo」なる日々 ソウルから薬院へ


何年振りかのソウルへ行っていた。
ポジャギ作家sonoさんの仕入れに同行して取材撮影させていただいたのだが、
かなりディープなお店の数々を巡る3日間となった。

カラフルな生地を壁いっぱいに並べたお店、古道具屋が並ぶビル、
迷路のようなアクセサリー市場などなど、
一人の旅では絶対に体験できない貴重な撮影をさせていただいたのだった。

 

広蔵市場近くの麻の店はsonoさん行きつけの店

鐘路6街にある紐の店は天井もカラフル

タプシムニにあるビルには古道具屋が並ぶ


これら取材の模様はいずれ本として発表する予定。
どうぞお楽しみに。

また取材とは別に、市場の熱気やユッケなどの美味しいものの数々も撮影していった。
とにかく目に留まったものいろいろカシャカシャと。

 

ユッケにはナシが入っている

 

 

そんな中でもとても印象に残ったのは
空港からソウル市内へと向かうバスからの車窓だった。

初日は雨。
福岡からはとても近い都市とはいえ、雨にかすむ異国の風景というのは、
たとえどんな些細な風景でも心に深く入り込んでくる。

久しぶりの異国というのも大きかったけれど、旅慣れたsonoさんの乗り込んだバスが、
ほとんど地元の人しか乗らない路線ということも、僕の撮影意欲を大きくしていた。

 

雨にかすむトンネルだけでもいい被写体

雨の繁華街

 

日韓関係は最悪と言われているけれど、出会った韓国の方々はとにかく親切でやさしく、
入ったカフェで店員さんにカメラを向けるととびきりの笑顔でポーズしてくれたりもした。
一層この国が好きになった。

 

とにかく笑顔が素敵なカフェの店員さん

 

ソウルの朝の気温はマイナス6度、
真冬のくじゅう白丹並みだ。

 

朝のホテル前は通勤の方々が行き交う

 

sono さんありがとう。
ポジャギ作家sonoさんブログ⇒

 


福岡へ戻り、さっそく『comogomo』へ。
オープニングイベントとして写真展を開催中だったのだ。
ソウルへ行っている間も多くの方々に見ていただいたようで、とてもありがたく思っている。
そして先日、新たなる試みということで、写真展に展示している僕のモノクロ写真を見ながら
「句会」というものを開催した(かなりの思い付きで)。

僕は松山出身なので俳句にはある程度親しんではいるけれど(町中に俳句ポストがある)、
俳句をつくった記憶は遠い昔の話。
果たして無事に開催できるのかどうか心配していたのだが、
俳人の青木草平氏を先生にお呼びして10人ほどが参加。

 

とても和やかで楽しい句会でした

 

できあがった句はみなさん初心者とは思えない出来栄えで、
短冊に書いてしばらく展示させていただいている。
俳句と写真、新たなる想像の世界への入り口のようにも思えてくる。

ちなみに僕の句は、年末の柳橋市場近くの喫茶店の写真を見ながらの一句
「年末はハワイにパリに喫茶店」

先生に「ハワイにパリに」というリズムがとてもいいとお褒めいただきました。

ソウルから薬院、そして創造力でハワイとパリへ。
交々なる日々は続く。

 

エコール薬院入り口『comogomo』の看板(9cueさん作)

 

 

 


●写真・文/川上信也

■■プロフィール■■
●川上信也/フォトグラファー。1971年愛媛県松山市生まれ。
福岡大学建築学科卒業後、大分県くじゅうの法華院温泉山荘に1997年より5年間勤務。その間にくじゅうの風景写真、アジアの旅風景を撮り続ける。
その後福岡でプロ活動を開始し、様々な雑誌の撮影に関わり、風景のみならず、自然光を生かした人物、建築、料理など、様々な撮影を行なっている。
ライフワークとして九州の自然風景、身近な人々のポートレートを撮り続けており、定期的に写真集を出版、写真展やトークショーを開催している。
◎webサイト:『川上信也 Photographer』⇒ https://shinya27.wixsite.com/kawakami

■前シリーズ『くじゅうの麓、白丹のルスカ』(2018年5月~2019年4月)はコチラから →