column
March 28, 2016
季節のうつわと皆敷
其の六:卯月(うづき)
プレスガラス小皿、猪口
皆敷:蕗の葉
卯月
気持ちのいい季節を迎えました。
さびしかった景色に山の木や草たちが一斉に芽吹き始め、心弾む空気感に包まれます。
夕暮れ時にはほんの少し肌寒く感じられますが、それもまたとても心地よく、
この時期ならではの別れや、出会いを印象付けてくれます。
春は本当にいいなぁと思います。
今回の器は、大正時代のプレスガラスの小皿と猪口です。
プレスガラスも大小さまざまありますが、
こんなにいい状態でまとまって出てくるのは珍しいです。
この大きさのお皿は、いろんなアイデアで使い回しができてとても便利。
コースターや、小皿や、デザートなど、さまざまな用途で楽しんで頂きたいです。
猪口は、手吹きガラスな為、大きさはおおよそ一緒なのですが、
ガラスの厚み、色が1点1点違っているのも特長です。
この何とも言えない雰囲気がまた、とても素敵です。
皆敷(かいしき)は盛付けの際のお料理の演出効果・役割が高く、
季節感で、器で、お料理を引き立てます。
今回、もう一つプラスするのはリズム感。
食べる際のシーンを気にかけて
春の野原や、山々の風景をリズム感でイメージすると
盛付け方法にも変化をつけることができると思います。
蕗の葉は形が丸いので、葉っぱの大小と添え方で、リズムをつけることができますよ。
熱に弱い葉なので、熱い食べ物を乗せると葉っぱの色が変色します。
食べ物に添える際にはご注意くださいね。
●写真・文/三嶋亜希子
■■お知らせ■■
【季節の器と、皆敷を楽しむ会】
杜鵑草では2016年1月から骨董の器を使って、皆敷を取り入れた盛付けの会をささやかに始めました。
まだまだ試行錯誤しながらの会になりますが、日々の暮らし、気持ちがほんの少し豊かになれる、そんなお手伝いができたらいいなと思っています。
器が、葉っぱが、そしてお料理が好きな方々とのんびり楽しい時間を過ごしたいと思います
※開催日等、詳細はコチラ →☆
■■プロフィール■■
『器と、そのまわり 杜鵑草(ほととぎす)』代表。骨董商。器コーディネーター。
幼 い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。短大卒業後、広告制作会社、広告代理店勤務などを経て、器コーディネーター へ。2013年より骨董商として始動。現在は骨董商でありながらも、皆敷(※)のスタイルを用いたテーブルコーディネート等、福岡を拠点に活動中。
◎webサイト:『杜鵑草』⇒ http://hototogisu.me/
(※)皆敷(かいしき)とは
器に盛る食べ物や、神饌(しんせん)の下に敷く木の葉や紙のこと。
山の葉や野の花を料理に添えて、季節感や清潔感を表すもので、日本料理の大切な特色の一つと言われる。