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column

October 10, 2024

シャッター音を傍らに
scene53 【10月】犬との幸せな時間

福岡とくじゅう、時々その他…
街の中で自然にあこがれ、自然の中で街を想う
シャッター音が響くたびに、心が豊かになってゆく
そんな写真家が織り成すフォトエッセイ。
by kawakami shinya

ノイちゃんがやってきたころ




【10
月】犬との幸せな時間


やっと涼しくなり、久しぶりにくじゅう白丹へと向かった。
ここに暮らすお二人がどうしても家を留守にするというので、僕が出向いて犬の世話なのだ。

何だか楽しい時間。僕も小さい頃は犬を飼っていたし、
山小屋勤務時代はずっとポリ君をアシスタントにくじゅうの山々を撮影していたので、
犬は大変だけれどやっぱり大好きだ。

ここに暮らすノイちゃん(メス)はちょっと珍しい犬種で、
ラブラドールとプードルから生まれたラブラドゥードルという。
なんでラブラプードルではないのだろうな。
まだ生まれて9か月だけれど、体重21キロの大型犬。

僕はいろんなアレルギーを持っていて犬猫はダメなのだ。
しかしこのラブラドゥードルという犬種はアレルギー持ちの方たちのための犬種らしく、抜け毛がとても少ない。
僕がかつて飼っていた柴犬のパイはものすごく毛が抜けていたように記憶しているけれど、
ノイちゃんはクルクルの毛がほんの少し固まって部屋の片隅に落ちている程度で、
なるほど抜け毛はものすごく少ない。
何度もノイちゃんとじゃれあっているけれど、
今のところアレルギー反応はないのできっと大丈夫だろう。


お気に入りのソファーにて

2か月ほどでソファーはノイちゃんの芸術作品に



というわけで当然のことながらノイちゃんを撮影することが多くなった。

子供や孫を撮影する親やおじいちゃんはこういった気持ちなのだろうか。
なるほどちょっと分かったような気もする。

そしてノイちゃん、人間の子供と違ってとても撮りづらい。
というのは毛色がほぼ真っ黒であるから、なかなか表情が写りづらい。
普通に写すと真っ黒の体と真っ黒の顔、目がどこなのかさえ分からない。
要するに単なる真っ黒な物体にしかならないのだ。
というわけで、ノイちゃん撮影用の補正をしている。
コントラストを下げ、なおかつプラス補正するとノイちゃんの表情が次第に見えてくる。

プラス補正しすぎるとグレーの犬になってしまうので、適度なところが上限。



とにかくスリッパが好きだ

天気がよかったのでシャンプーしてあげた



僕は知らなかったけれど、犬というのは一人にされるのがものすごく苦手らしい。
今まで室外犬ばかりだったのでそんな意識はそれほどなかったけれど、
とにかく一人にされるととたんに悲しい声で吠えまくる。
なので僕は留守番を頼まれているのだ。

どこにいてもノイちゃんに監視されている。
部屋でくつろいでいても、入口付近に居座ってちゃんと監視している。


必ず部屋の入り口で監視体制に


これからも監視されながら撮影を続け、ノイちゃんの成長の記録ができればと思っている。
白丹の仲間たちは僕も含めてみんな子供がいないので、
とても世話の焼ける監視好きの子供がやってきたような気分。

もちろんそれはとても新鮮で、今まで感じたことのないようないとおしい気持ちにさえなってくる。

犬って不思議な生き物だ。


ノイちゃん近影。顔と足が茶色になってきた




●写真・文/川上信也

■■プロフィール■■
●川上信也/フォトグラファー。1971年愛媛県松山市生まれ。
福岡大学建築学科卒業後、大分県くじゅうの法華院温泉山荘に1997年より5年間勤務。その間にくじゅうの風景写真、アジアの旅風景を撮り続ける。
その後福岡でプロ活動を開始し、様々な雑誌の撮影に関わり、風景のみならず、自然光を生かした人物、建築、料理など、様々な撮影を行なっている。
ライフワークとして九州の自然風景、身近な人々のポートレートを撮り続けており、定期的に写真集を出版、写真展やトークショーを開催している。
◎webサイト:『川上信也 Photographer』⇒ https://shinya27.wixsite.com/kawakami

■前シリーズ『くじゅうの麓、白丹のルスカ』(2018年5月~2019年4月)はコチラから →