想いにふれる メイドイン

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column

June 07, 2018

くじゅうの麓、白丹のルスカ scene2
【6月】 カエルの声が響く、葉の茂る緑の季節

朝6時すぎ、車の車窓から見えた田園風景。ひばりの声が大空のどこかから聞こえてくる。

 



【6月】 カエルの声が響く、葉の茂る緑の季節


白丹地区の田植えが終わり、カエルの声が森にこだまし、
草むらでは虫たちが飛び跳ねている。

水を湛えた田んぼは大地に現れた輝く瞳のように山々や雲を映し、
緑が茂る風景にさらなる広がりを与えている。

この時季、山々はミヤマキリシマのピンクに彩られ、
連日登山客で賑わっている。
僕も久しぶりに登山して花々の美しさに目を奪われたけれど、
どちらかというと印象に強く残ったのは登山口に行く途中、
車から眺めた朝日に輝く高原の風景だった。

草原にオブジェのように置かれたロール、何てことのない電柱、
風に揺れる電線、そして山へと続く一本道、
どれも魅力的な白丹のワンシーンだ。

 

今のところ、ここが僕の中では世界で一番美しい一本道。

 

ある日の夕方、近所の山間で民泊をされている平田さん宅でBBQ。
平田さんは古民家を宿泊所に改装し、
主に外国人宿泊者を相手にくじゅうのガイドなども行なっている。

僕は数年前に雑誌の取材で知り合っていて、
白丹に拠点を持った僕らと不思議な縁となって再会したのだった。

くじゅう麓の田畑、緑に囲まれたこの場所に、
作詞作曲も手掛けるミュージシャン、近所の隠れ家喫茶店マスター、
先日大分県知事の前でラップを披露したラッパー、
サンフランシスコおよびハンブルグから竹田市にやってきた外国の方々などなど、
次々と不思議な方々がやってくる。
みなさん地域に根差しながら活躍されているとても魅力的な人たちだ。

どうして交通の便の悪い小さな城下町に人々が集まりはじめたのか、
惹きつけるものは何なのか、この方たちを取材してゆくと見えてくるかもしれない。
僕らルスカも竹田市の隅っこ、くじゅう白丹に魅力を感じてやってきたわけであるし。

古民家前の畑ではノハナショウブが満開になっていた。

 

今月はこの古民家の一室で多くの出会いがあった。

西の空がたそがれてゆき、庭先のノハナショウブのシルエットが浮かび上がってきた。

 

その日の夜、白丹小学校校庭では天体観測会が開催されていた。
子どもたち15人ほどが参加し、大分天文協会会長さんが
大型望遠鏡を操作しながら木星の縞模様、赤く輝く金星、
そして球状星団M13などを観測。

白丹にやってきて驚いたことの一つは星の美しさだ。
梅雨が明けるころ、ルスカの玄関先からも天の川が見える。

ところで先日、ルスカが拠点としている元郵便局に、かつて設置されていたポストが
元郵便局長のご実家に残されている事が分かった(なぜか青く塗られている)。
ぜひ元の場所に持って帰りたい。どうやって運べばいいのかな。すごく重たい!

これから先、雨が大地の緑を一層豊かにしてゆく。

 

白丹小学校で開催された星空観測会。灯りの少ない白丹地区は星降る集落。

発見された郵便ポスト。思った以上に重くてなかなか動かせない。

 

 

 

【今日のルスカ】

時々やってくる猫。近々郵便局長に任命しようと思っている。


●写真・文/川上信也
 

■■プロフィール■■
●川上信也/フォトグラファー。1971年愛媛県松山市生まれ。
福岡大学建築学科卒業後、大分県くじゅうの法華院温泉山荘に1997年より5年間勤務。その間にくじゅうの風景写真、アジアの旅風景を撮り続ける。
その後福岡でプロ活動を開始し、様々な雑誌の撮影に関わり、風景のみならず、自然光を生かした人物、建築、料理など、様々な撮影を行なっている。
ライフワークとして九州の自然風景、身近な人々のポートレートを撮り続けており、定期的に写真集を出版、写真展やトークショーを開催している。
◎webサイト:『川上信也 Photographer』⇒ https://shinya27.wixsite.com/kawakami