想いにふれる メイドイン

予防が大事。うがい&手洗い頑張ろう!

column

August 23, 2022

いいにおいのする台所研究所
連載 第49回 コロナ罹患の台所から

ワクワク。

場所の名前は、「いいにおいのする台所研究所」。
ここで私が皆さんと食べものの話をするのです。
誰に気兼ねすることなく、
最初から最後までずっと食べものの話をするのです。

ドキドキ。

ここでしばらく時間をかけて趣旨説明をします。
これを読んで、そういうことなら私も食べものの話をしに行きたいな、
と思ってくださったらば、あなたもどうぞスタジオへお越しください。
by natsuko kawakami





49
)コロナ罹患の台所から

お手入れ不要というふれ込みのウチのクーラーが22度にしても全く効かなくなって久しくなり
蓋を開けるとまあまあすごかったので掃除してみたのですが。。。
効きが半端ない。28度設定で寒い。扇風機はもう消して。冷えるから。

そんな最高気温37度の今日この頃、残暑のお見舞いも効かないレベルの暑さですね。
いかがお過ごしでしょうか。暑いですね、ではもう足りない、ヤバいですね、がお似合いの夏。
今回のコラムでは別のネタを考えていたのですが、何しろアタクシコロナに感染しちゃいまして。

台所の話だけではなくなってしまいますが、せっかくなので備忘録として。



〈まずはとっかかり〉
夫がガッツリ寝込んだとある日曜日。
それを見てなぜか私が先にPCR検査を受けに行きました。
その時点では大きな症状はなし。
一応帰りに平尾のマキイでいろいろ買い込みました。万が一感染拡大せぬようにめっちゃ注意して。
夫はここ最近熱や咳に悩まされていたのですがその際に受けたPCR、抗原検査いずれも陰性でした。

 

次の日、私の検査の結果を待ちつつ近所の内科まで夫を連れて検査へ。
ちなみに息子は5日前にワクチン3回目を打ったばかりで副反応が続いていたため部活も休んでいました。
内科の駐車場で1時間半待機し、いよいよ夫の番が来たそのとき、
携帯に私の昨日の検査結果が届いて陽性判明しました。

カワカミ家へようこそ!コロナさん。
看護師さんに「じゃあもうアレですね」とか言われて(アレってなんだ)先に夫だけ家に送り、
私は新たに自分の確定診察待ちで同じ駐車場で更なる1時間半。
夫は次の日の午前中、同じく陽性が判明したのでした。


ピノを二箱買うと工作できるピノガチャボックス。工作好きの息子がセレクト。「ピノ頂戴」というとこれにいくつか入れてくれるのでこちらはひねりを回して取る。一応非接触対応?

 

〈それぞれの症状と家庭内隔離〉
夫は38度後半の熱と関節痛。
私はだんだん喉が痛くなりましたが熱は微熱で高くても37度ちょうどくらい。
息子は元気。

夫と私の陽性判定を受け、息子はなんだかハイテンションになっていたのが印象的でした。
寝込む夫、微熱なので普通に家で仕事をする私。
高ぶる息子。10日間の隔離生活がスタートです。

自宅にはトイレは2個あるんですが、風呂も台所も一個。
大人と子どもを厳密に隔離するのは不可能です。
寝る部屋はなんとか分けて、タオル類は元々別にしていたので
あとはマスクをしたり消毒したり接触を避けたり、くらい。
冷茶ポット2本あるので、大人二人と子ども一人で使い分けました。

私は喉の痛みがひどく、家の中にいてもずっと自分の水筒を持ち歩き、常に水分をとり続けていました。
お茶も足りなくなるのでとにかくどんどん沸かす。沸かす。冷ます。
ポットと水筒に入れる。また沸かす。のエンドレス。
(ちなみに感染判明日、私めちゃくちゃトイレが近かった。あれ絶対なんか体が「デトックス求む」の悲鳴を上げていたんだと思う)

食器は各自洗い、洗って乾いた食器をしまうのは息子。
小さいテーブルを出してきて息子の食事専用にしました。私は仕事机で食事したり。
冷蔵庫ややかんなどに触れるときは、裏表の色のはっきりした布切れを置いておき、
それで掴むことなど、小さな工夫。

やはりこういうのが活躍する。多めに買ったのでいつかまた災害時などにローリングストック

 

〈食事、3日目まで〉
喉の痛みがひどくなり、食欲はありませんでした。
初日、二日目くらいまでは作り置きやマキイで買っておいた惣菜、パンなどを
各自もそもそ食べる感じでやり過ごしました。
その後、出前を2回取りました。寿司屋で丼もの、そして宅配ピザ。

ウーバー的なやつは宅配料が高い!なんて言うけれど、
普通に考えてピザ1枚1200円だったらパン屋さんで見たら買わない。
ウーバーには反発を感じるのに宅配ピザならなぜか昔から許容しているこの風潮、なんなんでしょうね。
それに引き換え近所のお寿司屋さんから持ってきてもらうと安いですよね。

炭水化物とタンパク質、野菜か果物とバランスを考えて、各自なんとか冷蔵庫から食べられるものを食べるように。
私もあまり余裕がなかったので、そんな感じで家族に伝えて、まずは自分のことに集中しました。
家にずっといてお腹の減り具合は家族それぞれだし、生活リズムも食事の時間もずれ始めます。


〈食事、4日目くらいから〉
私の体調がだいぶ戻り、同時に食欲も戻ってきたので台所に立つようになりました。
食材は生協で宅配があるのであまり心配なかったのですが、
それでも足りないものは義兄夫婦に頼んで買ってきてもらいました。
お腹を壊している人がいなかったので、普通に肉じゃがとかヒレカツとか冷蔵庫に余っているものを使って作りました。

暑いし、喉の痛みのせいで生の野菜を食べたくなるので、息子に切ってもらいました。
手袋もあるけど何しろ暑いしベタベタするしで、あまりつけたくない。
きゅうりの塩もみとか、トマトを切ったりと、そのくらいでした。

果物は生プルーンやネクタリン、巨峰があったので50度洗いして水につけて冷蔵庫に入れておきました。
皮を剥かずにそのまま食べられるものって便利ですねえ。
マキイで買っておいたちょっとお高いにんじんジュースもフレッシュでおいしかったなあ。


〈大人感染5日目で息子の抗原検査〉
抗原検査キットをゲット。息子は未だ無症状でしたがアレルギーもあり咳はたまに出る。
もう息子も陽性なら気にせずに3人ぎゅうぎゅうして暮らせるし。。。
と思っていたのですがまさかの陰性。まじか。。。
というか、そもそも濃厚接触者は5日目から隔離解除らしいではないですか。

かと言って息子だけ通常モードにできるかというとそれもどうなのかしらん。
外は暑いし、感染前みたいにウチに友達集めてワイワイ、も不可能だ。
息子はヒマヒマ言いつつも友達とLINEでやり取りしながら本を読んだり宿題をしている。

あと5日間、頑張って家庭内感染防止に努めるしかないのね。


〈食事、7日目くらいから〉
いよいよグラノーラとか焼き始める。
おにぎりも、手袋なしできっちり手洗いしてからする。
が、まだ不安で、息子の分だけ焼きおにぎりにする。
贅沢なバター醤油味にしてみると夫も、という。私は焼かないおにぎりが好きだなあ。






冷凍食品も試してみる。念の為マキイで買っておいたもの。
「とてもまじめな」シリーズで最近気になっていた秋川牧園の肉まんや焼き鳥。
原材料表示が半端なくでかいのだ。うまいうまい。
生協でも以前からこの秋川さんのお肉を食べていた。調べてみると、山口県の会社だそうだ。


〈いよいよ10日〉
夫が「ケーキ食べたい」と言いはじめた。家から5分のおいしいお店へ息子を派遣する。
息子はマルキョウでアイスを買うのとはちがうケーキ屋さんでのソロ買い物にびびっている。
「まずなんて言うと?」「先にお客さんがおったらどうすると?」
「保冷剤持っていっていつ出すと?」「行きたくないよう」

ケーキ三つ買っていいけん、という破格の待遇を得てもまだ渋っている。

冷やし中華、はじめました。
じゃないけれど、生の野菜を扱ったり、茹でた麺を手で洗うという行程がある冷やし中華を作る。
鶏胸肉を茹でておいたのでそれもスライスして。生の食材を使う料理の極みだ。

息子の奮闘で無事に食後のケーキもいただき、いよいよ、隔離生活が終わる。


これもマキイでゲット。マジで手作り感あるピザでした。具ももりもり

 

〈まとめ〉
長いようで短い。。。というお決まりの枕詞で恐縮ですが、まさにそんな感じでした。
事前の買い込み、生協、義兄夫婦の買い出し、の3点に加えて、
台所管理者である私が軽症というアドバンテージを得て
危機的状況に陥ることなく、過ごすことができました。

家族のありようや周囲の状況で隔離生活もさまざまでしょうね。。。
私は今から2回目の感染が恐ろしい。そもそも息子は今回罹ってないし。
個人的には予定が無になったので毎日がっつり仕事したし本もたくさん読んだしラピュタも観ました。

それでももう隔離は嫌だ!

あれ?
なんか市だか県だかから送られてくるというウワサの救援物資ボックス、来なかったなあ。
もういいけど。





つづく・・・
>>>次回は9/6頃に更新予定です。



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詳細はまた追って発表させていただきます~!
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●写真・文/川上夏子

■■プロフィール■■

●川上夏子(かわかみ・なつこ)
1974年福岡生まれ。グラフィックデザイナー。ではあるけれども、著作があり、スタイリングもやるし、料理家さんの日雇いアシスタントもやります。
日々マッキントッシュの前に座りながら、頭の中はほぼ「何を作り何を食べるか」でいっぱいであります。
アラフィフの入り口に立ち、いよいよ人生の総まとめとして「食べものの作り手」として本格的に仕事をしていきたいと考えています!趣味は健康管理。
[著書
『小夏を探す旅』(2020年)
『ぼくらのいえができるまで できてから』(2016年)
『福岡のパンとお菓子の小さなお店』(2013年)
『福岡のまいにちごはん』(2012年)