想いにふれる メイドイン

秋分。夜が段々長くなるね~

column

October 27, 2015

季節のうつわと皆敷
其の一:霜月(しもつき)

輪島塗  梨地螺鈿梅文 吸物椀
皆敷:石蕗(つわぶき)

 

[器]
椀…直径 約12.0㎝、高さ 約5.0㎝、底 約4.5㎝
蓋…約11.5㎝、高さ 約2.5㎝
状態:良好/価格:4200円/時代:大正時代
[皆敷:石蕗(つわぶき)]
10月に入ると葉と葉の間から黄色い花を咲かせます。葉が丸く、大きさも大小様々あるので皆敷としては比較的用い易いかもしれません。




霜月

あんなにきれいに色付いていた田んぼの稲穂も
気がつけばすっかり稲刈りも終わって、ちょっとだけ寂しく感じます。
山はますます秋の色を深めてきました。

秋を象徴する紅葉。銀杏、柿の葉、栗の葉…。
一枚、一枚、何とも言えない綺麗なグラデーションで
季節の移ろいが、小さな葉の世界にも表現されているようです。

一方、紅葉はせずともこの時期に皆敷となる葉っぱもあります。
とても質素で、品格を感じさせてくれる葉、常緑種の「石蕗(つわぶき)」。

石蕗は一年でこの時期にだけ、黄色い花を咲かせます。
街中でも歩いていると、あまり目立たないように咲いています。
生け花の花材としても、使われたりするんですよ。

石蕗一枚、そっとお料理に添えてみるだけで、
たちまち秋の風味がただよってきます。



●写真・文/三嶋亜希子

■■プロフィール■■

『器と、そのまわり 杜鵑草(ほととぎす)』代表。骨董商。器コーディネーター。
幼い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。短大卒業後、広告制作会社、広告代理店勤務などを経て、器コーディネーターへ。2013年より骨董商として始動。現在は骨董商でありながらも、皆敷(※)のスタイルを用いたテーブルコーディネート等、福岡を拠点に活動中。
◎webサイト:『杜鵑草』⇒ 
http://hototogisu.me/

(※)皆敷(かいしき)とは
器に盛る食べ物や、神饌(しんせん)の下に敷く木の葉や紙のこと。
山の葉や野の花を料理に添えて、季節感や清潔感を表すもので、日本料理の大切な特色の一つと言われる。