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December 11, 2019
『詩的リアリズムな句会』at 川上信也 写真展
ルポ 2019 .12.01
2019年12月1日(日)
川上信也 写真展~福岡 詩的リアリズム~特別企画
『詩的リアリズムな句会』ルポ
和気あいあいと、真剣に
小雨がぱらつく薬院二丁目に、自称・初心者の俳人たちが集いました。
和やかな中に時々笑い声が響く、そんなスタートでしたが、
始まってみれば、時間が短いこともあり、一同はすぐ真剣モード。
「天」を目指して、初心者たちの静かな戦いが幕を開けました。
出揃った19句から、5句が入賞(同率3位が3句)
今回の句会は、睦月から師走まで、写真家・川上信也氏が
福岡の12カ月を切り取ったモノクロ写真をテーマに一句詠み、
全員の投票で上位3句(入賞)を決める、というもの。
厳密なルールのある句会ではなく、楽しいコモゴモ流です。
投票は一人3票。「天」3点、「地」2点、「人」1点。
「天」を貰えるかどうかで、帰路の足取りも変わってきます。
気になる入賞作品は…(敬称略)
【天】(全体の1位)田中智子
海引いて鈴なりの笑みあさり貝
ウミヒイテスズナリノエミアサリガイ
【地】(同2位)橋本文平
あの夏をじっと見ていた交差点
アノナツヲジットミテイタコウサテン
【人】(同3位)濱田啓子
薄桃の夕日仰いで花見酒
ウスモモノユウヒアオイデハナミザケ
【人】(同3位)村松彰子
梅雨空に咲くか仕舞うか傘の花
ツユゾラニサクカシマウカカサノハナ
【人】(同3位)伊藤尚子
ふたりだけうみそら散歩夏がゆく
フタリダケウミソラサンポナツガユク
詠み初めの師走に咲くは笑顔かな
初めて俳句を詠むという方もいらっしゃいましたが、
月ごとに切り取られた川上氏の写真が創作意欲を掻き立てたのか、
次々に良句が生まれ、ゲスト俳人・青木草平氏も感激の面持ち。
青木氏は、コピーライター、ディレクターとして活躍する傍ら、
精力的に作句を続けている福岡の俳人です。
参加の皆さんには、青木氏の評を聞くことも、また互いに感想を
言い合うことも、新鮮で面白く感じていただけたようです。
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文/橋本文平