column
September 20, 2018
ひとしずくの台湾 ーMade in Taiwanを探しにー
drop03 神様も見守る「台湾夜市」のススメ
福岡市在住フリーランスライターが綴る
「Made in TAIWAN」をテーマにしたアレコレ。
仕事でもプライベートでも、何度でも訪れてしまう台湾の魅力を
ゆるゆると発信します。
by arei maeda
drop03 神様も見守る「台湾夜市」のススメ
実りの秋、食欲の秋。
悩ましい季節を迎えましたが、旅に出ると、その土地のローカルな食文化に触れてみたくなるもの。
台湾では、そんなときにもってこいなのが「夜市」だったりします。
台湾をはじめ、中華圏や東南アジアに広がっている夜市。
たいてい夕方からオープンし、午前1時頃までにぎわいを見せるところも多数。
日本だと、放生会のような縁日が毎日開催される感覚は不思議にも思えますが、
もともとは暑い国ゆえ快適に過ごせる時間帯の娯楽として発展していったようです。
輪投げゲームや移動式メリーゴーランドなど、何でもござれ。
ある程度、自分の目で確かめつつ選びましょう。
大型夜市の魅力が見応えならば、地方の夜市の魅力はローカル色。
例えば、基隆や高雄といった夜市では、港町ならではの海鮮グルメを堪能できます。
土地土地に大小さまざまな夜市が展開されていて、
散策がてら雰囲気を味わうだけでも楽しいもの。
地元の人たちのファッションや髪型なども観察しつつ、
お国柄や文化の違いが感じとれるのも魅力です。
とりわけ台湾夜市の場合は、外食文化が日常的に根づいたことや
観光資源としての収入が見込まれることも起因して、
廟や駅の周りなど人が集う場を拠点に栄えていったよう。
台北一の規模を誇る観光夜市『士林夜市』も、
もともとは『慈諴宮(士林媽祖廟)』という廟の門前の広場から始まり、
大きくなっていきました。
いくつか訪れた夜市のなかでも、お気に入りは高雄の『瑞豊夜市』というローカルマーケット。
安くて新鮮な海鮮鍋や包子など、レベルの高いメニューに遭遇し、
夜市のイメージが一変した瞬間でした。
夜風を感じながら、久しぶりに集った友だちともりもり食べて飲んで、夜市の空気感を楽しんでいると、
お店の人も喜んでくれたのか、笑顔で焼鳥をサービス、なんてことも。
当たり外れもまた旅の思い出。
たまには童心に返って、喧噪の中へと飛び込んでみましょう。
今月の「Made in Taiwan」なものは、そんな夜市の雰囲気を味わえる、
食欲の秋にぴったりなイベントのお知らせです。
#Made in Taiwan 03 7月に鳥飼八幡宮で行なわれた七夕祭に引き続き、縁むすびの神様『月下老人(御神体)』がふたたび台北から福岡にやって来ます。秋季大祭『食と音楽の感謝祭』の一角に、小籠包やチマキ、タピオカミルクティなど台湾屋台が集う夜市も登場。 |
●写真・文/前田亜礼
■■プロフィール■■
●前田亜礼(まえだ・あれい)/福岡市在住フリーランスライター。
大分県日田市出身。台北のガイドブック執筆をきっかけに、2009年から台湾へ。
以来、仕事の合間を縫っては気まま旅を楽しんでいます。いつかは台湾暮らしを夢見て、中国語と二胡を修業中。