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column

August 31, 2018

くじゅうの麓、白丹のルスカ scene5
【9月】 猫と温泉と月明かり

久住高原に月が沈んでゆく。

 


 【9月】 猫と温泉と月明かり


9月、夜空の美しい季節になってきた。

先日の夜、くじゅうは月明かりに包まれ、ルスカ3人で近所の散歩に出かけた。

街灯と月明かりが混じり合い、白丹の集落はまるで
童話の世界のような不思議な色合いに浮かび上がっている。

宮沢賢治の『月と電信柱』の話を思い浮かべながら
白丹小学校付近で天の川をしばらく眺めていた。

校庭の先の森から虫の声が弦楽四重奏のように響き、その木々の上にさそり座が瞬いている。

やがて月が星の輝きを薄めながらさそり座の近くまでやってきて、木々の影を強めてゆく。
何千年も変わらない習慣のように時は淡々と過ぎてゆく。

 

白丹小学校付近からも天の川がはっきり

 

 

ルスカの3人は竹田市で製作されている地域映画プロジェクト『竹8シネマプロジェクト』において、
映画パンフレットの制作を依頼されており、先月から関係者の取材撮影に追われていた。

パンフレットでは地域の紹介をするコーナーも設けられており、
久住地区では『白丹温泉 ふれあいの湯』を取材。
ルスカから歩いて3分の温泉だ。

地元の方々の寄付で掘られた温泉であるため、みなさんとても大切にされている。
いつ行ってもとても清潔で気持ちがいい。
木造の温かみいのある建物も魅力的で、
隣の白丹公民館と共に第16回『豊の国木造建築賞』で最優秀賞を受賞している。

 

デザイン的にもとても魅力的な白丹温泉

 

当然僕も何度も利用していて、受付のおばちゃんたちとも顔なじみとなった。
休憩室では地元の野菜も販売されている。
まだまだ知らない人も多いくじゅうの穴場的温泉といえるのかもしれない。

 

■白丹温泉ふれあいの湯
[住所]大分県竹田市久住町白丹4725-2 →MAP
[営業]13:30~21:30
[休み]第3火曜日
[料金]大人300円、小学生100円

 

温泉館長の志賀邦浩さん ぜひ白丹温泉へ!

 

 

この頃、猫が何匹も行き来している。
もともと猫の多い地域であったけれど、この頃はほんの数歩歩けば猫に出会う。

ここルスカにやってくる猫だけでも、
茶トラ、キジ、黒、三毛、サビ、白、と色とりどり。

先日は子猫も姿を見せた。
裏庭には謎の植物が花をたくさん咲かせているけれど、
そこが猫たちの絶好の隠れ場所になっているようだ。

 

今日はサビちゃんがやってきました

 

ノラなので近寄ってくることはないけれど(ちょっとさみしい)、
微妙な距離のところでこちらの様子をいつもうかがっている。

ルスカ3人はみんな猫好きなので、
こうやって猫たちに見つめられていることに、ただならぬ幸せを感じている。

ちなみにJR豊後竹田駅では猫の「にゃー」が駅長に就任し、
観光客がものすごく増えたそうだ。

まさに招き猫。
ルスカの郵便局長にどなたか就任してくれないかなと思いつつ。

 

JR豊後竹田駅の駅長ニャー。貫禄が違う。



もうすぐ中秋の名月。
猫の姿と何とかいっしょに撮影したいとも思っているけれど、
果たして撮らせてもらえるだろうか。

それまでに仲良くなれるだろうか。

 

 
 
 
 

【今日のルスカ】

室内がぼんやり月明かり




●写真・文/川上信也
 

■■プロフィール■■
●川上信也/フォトグラファー。1971年愛媛県松山市生まれ。
福岡大学建築学科卒業後、大分県くじゅうの法華院温泉山荘に1997年より5年間勤務。その間にくじゅうの風景写真、アジアの旅風景を撮り続ける。
その後福岡でプロ活動を開始し、様々な雑誌の撮影に関わり、風景のみならず、自然光を生かした人物、建築、料理など、様々な撮影を行なっている。
ライフワークとして九州の自然風景、身近な人々のポートレートを撮り続けており、定期的に写真集を出版、写真展やトークショーを開催している。
◎webサイト:『川上信也 Photographer』⇒ https://shinya27.wixsite.com/kawakami