column
July 07, 2018
ひとしずくの台湾 ーMade in Taiwanを探しにー
drop01 你好。はじめまして
福岡市在住フリーランスライターが綴る
「Made in TAIWAN」をテーマにしたアレコレ。
仕事でもプライベートでも、何度でも訪れてしまう台湾の魅力を
ゆるゆると発信します。
by arei maeda
drop01 你好。はじめまして
九州・福岡発モノ・コトづくりを応援するウェブマガジン『MADE IN…』から、
「Made in TAIWAN」をテーマにしたアレコレを発信させていただくことになりました。
「台湾」というと、旅したことのある人はたいてい「いいよねー」と顔をほころばせ、
食や観光スポットのことなどで意気投合、話が弾みます。
九州ほどの大きさの島で、ここ、福岡からは2時間程度という距離感もまず、
親近感を抱いて、台湾を好きになったきっかけでした。
初めて行ったのは2009年、ガイドブックの取材で訪れた台北。
真夏の猛烈な日射しと蒸し暑さの洗礼を受け、
スクーター音轟く街の喧噪に驚き、
道すがら目にする露店商の人たちの活気に圧倒され、
さらには亜熱帯の植物たちの、“もりもりっ”とした精気に
たちまち癒されたあの感覚は、今でも忘れられません。
外食文化ゆえに飲食の物価が安く、フルーツ天国。
街角に佇むカフェは若者だけのものではなく、
お年寄りも入り混じって憩う姿が微笑ましく、朝から晩まで、みんなよく食べる。
シャイな印象だけれど、何かしら困っていると助けてくれる人の優しさもまた、
旅行者が心惹かれる魅力ですよね。
なんというか初回から、じりじりと照りつける太陽の下、
自由な気持ちになれて、帰る頃にはポケットに百元札と小銭を入れて歩いていたくらい気楽で、
身近な存在に感じられた台湾。
以来、年に1、2回ペースで東西南北をまわり、ざっくり環島も経験。
かれこれ12回の旅を重ねてきました。
そんなわけでこの度、こうしてコラムを書く機会をいただいたのですが、
とりたてて専門分野があるわけでもなく、有益な情報は雑誌や書籍で十分手にできる。
台湾好きな方々はたくさんいて、さて、何をどう伝えられるのだろうと迷ったものの…。
『MADE IN…』ということで、肩の力を抜いて、
これまで巡り歩いてよかったと思う「メイドイン台湾(MIT)」なものやこと、
郊外や地方の楽しい場所、出会った人たちのことなど、自由に紹介していきます。
コラムタイトルは「一支草、一點露」ということわざから。
「一本の草に一滴の露が降りるように、
みな相応に天の恵みは受けられる。
ほんの少しの希望があれは、人は生きていけるのだ」
後々、台湾にはこんな素敵なことわざがあることを知り、
嗚呼なんて台湾らしさを感じられる言葉なんだろうと、深く頷きました。
時として逞しさに学び、思いやりに勇気づけられる台湾。
至るところに日本統治時代の名残が見られる中、旅していると、
日本人として一概に「親日」では片づけられない複雑さを感じたりすることもままあります。
それも旅の醍醐味。
また知りたくなって、訪れる度にもっと近づきたい、仲よくなりたい気持ちが増していくのです。
そんな台湾を旅して、心に残ったエピソードを“ひとしずく”ずつ、お届けしていけたらと思います。
#Made in Taiwan 01 1883年創業の老舗茶屋。台湾のかたちをしたパイナップルケーキ(4個入り160元)と |
●写真・文/前田亜礼
■■プロフィール■■
●前田亜礼(まえだ・あれい)/福岡市在住フリーランスライター。
大分県日田市出身。台北のガイドブック執筆をきっかけに、2009年から台湾へ。
以来、仕事の合間を縫っては気まま旅を楽しんでいます。いつかは台湾暮らしを夢見て、中国語と二胡を修業中。