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column

June 02, 2016

季節のうつわと皆敷
其の八:水無月(みなづき)

輪島黒塗 巻絵紫陽花文 お椀
皆敷:どくだみ

[器:輪島黒塗 巻絵紫陽花文 お椀] ●椀…直径 約13.0㎝、高さ 約6.0㎝、底 約6.5㎝ ●蓋…直径 約12.5㎝、高さ 約4.0㎝、つまみ部分 約6.0㎝ 時代:明治時代/状態:良好/価格:2600円(税別) 備考:残り4客のみ ※送料別途

[器:輪島黒塗 巻絵紫陽花文 お椀]
●椀…直径 約13.0㎝、高さ 約6.0㎝、底 約6.5㎝
●蓋…直径 約12.5㎝、高さ 約4.0㎝、つまみ部分 約6.0㎝
時代:明治時代/状態:良好/価格:2600円(税別)
備考:残り4客のみ ※送料別途

[皆敷:どくだみ]どくだみの葉はハート形で、たまに紫色に色付いたりもします。葉には独特の臭気があります。

[皆敷:どくだみ]
どくだみの葉はハート形で、たまに紫色に色付いたりもします。葉には独特の臭気があります。




水無月


ここのところ少し忙しくしている間に気がつけば、蛍がちらほら、
そして田んぼからはゲロゲロと蛙の鳴き声が聞こえてくるようになりました。

今回は皆敷として「どくだみの花」を使ってみました。

この時期、日陰でほんの少し湿気のある木立の下などに目をやると、
どくだみの花が咲いてるのに気がつきます。

白い花はどの花より白く、どこまでも白。

葉っぱはハート型をしていて、
ちょっとだけ独特の匂いを発します。

多くの方は、このどくだみが
民間治療薬として用いられてきたこともご存知かと思います。


器は、この時期にぴったりな「紫陽花文様の輪島黒塗椀」です。

どくだみの花の白と、
輪島塗りの漆黒を対比させてみました。

日本料理には、作る人と頂く人の
気持ちのやり取りが一緒に盛り込まれています。

例えば、この椀物。

椀物には蓋を開けた瞬間の、
「一体何が盛られているのかな?」といワクワク感があります。

そして料理を出す側も、
それに「応えたい」という気持ちでお料理を準備する。

こんな思いのやりとりは、本当にいい物だなあと感じられ、
よりお料理が美味しく感じられます。
大切にしたい心配りです。

どくだみは特有の匂いがあるので、
直接食べ物に添わせると匂いが移ります。
あくまでも添えることをお勧めします。

また、塗り物には熱いものを直に盛り付けずに、
気持ち一拍置いたところで盛り付けて頂くことが
漆を永くお使い頂ける方法のひとつです。



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●写真・文/三嶋亜希子

■■プロフィール■■

『器と、そのまわり 杜鵑草(ほととぎす)』代表。骨董商。器コーディネーター。
幼 い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。短大卒業後、広告制作会社、広告代理店勤務などを経て、器コーディネーター へ。2013年より骨董商として始動。現在は骨董商でありながらも、皆敷(※)のスタイルを用いたテーブルコーディネート等、福岡を拠点に活動中。
◎webサイト:『杜鵑草』⇒ http://hototogisu.me/

(※)皆敷(かいしき)とは
器に盛る食べ物や、神饌(しんせん)の下に敷く木の葉や紙のこと。
山の葉や野の花を料理に添えて、季節感や清潔感を表すもので、日本料理の大切な特色の一つと言われる。