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column

December 26, 2015

季節のうつわと皆敷
其の三:睦月(むつき)

色絵 金彩窓絵蓮文様 平皿
皆敷:お多福南天と椿

[器:色絵 金彩窓絵蓮文様 平皿]
サイズ…直径 約16.0㎝ /状態:良好
価格:6枚組…3万円(税別)、1枚…5300円 ※備考:残り15枚有(バラ売り可)
時代:江戸後期/http://hototogisu.me/archives/690/
[皆敷:お多福南天と椿]
南天は”難転”=「難を転じる」という言葉に通じることから、厄除け、祝い事に用いられます。赤色がとても綺麗なお多福南天の紅葉時期は冬。よくよく見ていると街路樹の下草などに植え込まれています。椿は茶花として用いられる一つで、別名「茶花の女王」と言われています。




睦月

新しい年を迎えるこの時期は、
ナンテン、ウラジロ、ゆずり葉、松…などなど
お料理とともも器に添えられた葉っぱを見る機会が多くなります。

今更ですが、これを「皆敷」という事をご存知でしたか?
葉っぱを器の代わりに見立てたことからはじまったとされる皆敷は
添える葉っぱのあしらいだけにとどまらず、
料理と器、季節、そして風情(佇まい、盛付け)をうまく融合させる手助けとなります。


その他にも日本料理の盛付け(皆敷は盛付けの中の一つ)は、
とても奥深く、お客様をもてなす側の心配りに終わりはありません。

お料理をどういう順序で召し上がって頂きたいか、
盛込み料理であれば取り分けやすく、リズミカルに、
温かい物はできる限り温かく召し上がって頂けるように、などなど。。

随所に散りばめられた心配りは、
お料理を目の前にした時の気持ちをふっくらと豊かにしてくれます。
私はこれら全てを「皆敷」と捉えて、
こういった気持ちを日々の食卓にも取り入れたいなぁと思っています。

今回も簡単に手に入る葉っぱで、何気ない日常を彩ってみました。
お多福南天(オタフクナンテン)と椿です。

新しい年を意識した晴れやかな感じで、器は赤を選びました。
同系色の葉っぱを添えてみるのもなかなかいいものです。
そして深い緑色の椿を持ってくることで、赤色が更に際立つようになります。
その際ちょっと、足元を揃えてあげると、
器の余白がすっきりと見え、料理もぐっと引き立ちます。
(お皿に料理を盛る時は、器の3分の1を目安にしてみてください)

お料理にそっと、
あくまでも主張はせずに引き立てたいですね。


↓左上から時計回りに「ナンテン」「ウラジロ」「ゆずり葉」「松」
1225_02 1225_01
1225_03 1225_04



●写真・文/三嶋亜希子



■■プロフィール■■
『器と、そのまわり 杜鵑草(ほととぎす)』代表。骨董商。器コーディネーター。
幼 い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。短大卒業後、広告制作会社、広告代理店勤務などを経て、器コーディネーター へ。2013年より骨董商として始動。現在は骨董商でありながらも、皆敷(※)のスタイルを用いたテーブルコーディネート等、福岡を拠点に活動中。
◎webサイト:『杜鵑草』⇒ http://hototogisu.me/

(※)皆敷(かいしき)とは
器に盛る食べ物や、神饌(しんせん)の下に敷く木の葉や紙のこと。
山の葉や野の花を料理に添えて、季節感や清潔感を表すもので、日本料理の大切な特色の一つと言われる。