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column

July 26, 2022

いいにおいのする台所研究所
連載 第48回 伝えたり伝わったりするお弁当

ワクワク。

場所の名前は、「いいにおいのする台所研究所」。
ここで私が皆さんと食べものの話をするのです。
誰に気兼ねすることなく、
最初から最後までずっと食べものの話をするのです。

ドキドキ。

ここでしばらく時間をかけて趣旨説明をします。
これを読んで、そういうことなら私も食べものの話をしに行きたいな、
と思ってくださったらば、あなたもどうぞスタジオへお越しください。
by natsuko kawakami





48
)伝えたり伝わったりするお弁当

だいたい毎日お弁当を作っています。

夫のお弁当を作っているからです。
さっき通勤前の夫に「ねえお弁当っていつから作ってるんだっけ」と聞いてみたんですが
わからん、とのことでした。

お弁当を作るようになったきっかけ、というのも覚えてない。

私も週に2回は外に出ているため、自分の分も作りますし
今は夏休みなので息子の分も。
部活でどこかに行く、とか、私が家にいないときに食べるから皿に盛っておく、とか。


私のお弁当のマイルールは、
一、冷凍食品を使わない
二、昨日の夕食の残りをメインにしない
三、アルミカップを使わない
四、苦手なものを入れない
でしょうか。

あ、これ、自分のお弁当は当てはまらない。自分のは本当に適当に詰めます。
彩りとかメインと副菜とかのバランスとか全く考えずに詰めます。
りんごが3割占めてる、とかザラです。

自分のは、なんだろう、蔑ろにしている、とかではなくて、
自分の好きなもの、食べたいもの、食べたくないもの、とかが当然だけど本能でわかっているので
どんだけ適当に詰めても、お昼に開けた時に、残念〜ということにはならないからです。



アジのフライにソースが染みるとまたこれがうまいですよね

 

一、冷凍食品を使わない
これは私から私への挑戦です。修行です。
冷凍食品を買ってしまうと使ってしまうので、家にあるもので作る稽古みたいなもんです。

二、昨日の夕食の残りをメインにしない
これも同じく修行。夕食を作るときに多めにできたら
明日のお弁当の分にするのではなく、いつかのお弁当の分にして冷凍します。自家製冷凍食品。

ちなみに私は食いしん坊なので残り物大好きです。

三、アルミカップを使わない
これは夫からの要望です。仕切りいらん、と言われたので、野菜を仕切りにしたりもしません。
ご飯を一面敷き詰めてその上におかず、形式です。なので汁気のある物も入れません。



箸箱を洗うのが苦手でした。たいして汚れてないけどちょっとは汚れてるし、小さいのに角が多すぎてきちんと洗えない。これ、いいですよ〜。シリコンの箸入れ。シリコン苦手なんだけどこれは!

 

四、苦手なものを入れない
自分のお弁当なら自分の理想弁当を作れますが、夫や息子はそうでない。なのでここは頑張ります。
特に息子の嫌いなものを昼食用に置いておいた時、それを生ゴミに捨てていたことがあったのです。

ああ、子どもらしいなあ、と。正面突破というか、正直というか。
私がそこにいるときはなんでも食べさせますが、私がいないときまで私に怒られなくてもいいのかなと、ね。
夏休みなので唐揚げとかコロッケとかそういうものをたくさん下拵えして冷凍しています。



わっぱはしっかり閉まらない。保育園のときに持たせたわっぱが、息子の手を滑り落ち「中身が全部こぼれてしまったんですよ〜」という報告を先生から受けた時の物悲しさ、忘れられない

今日のお弁当。ししとうの豚バラ巻きにキノコのだし巻き卵、いろいろキノコのなめたけにきゅうりの塩もみ

 

夫は苦手なものがない人なのですが、ある日こんなことを言いました。
「炒めた野菜を食べると汗が止まらなくなる」と。
ん……ん……ん……、ちょっと何言ってるかわかんないんですけど……。

なんで?どういうこと?じゃあこれは?あれは?おかしくない??
原因を追求したい気持ちと、わけわからんことを言うなという気持ちと、なんかとにかくモヤモヤがいっしょになって
夫を問い詰めたような形になり、その問題はしばらく放置されたままになりました。

で。またしばらくして言い始めた。
問い詰める私。閉口する夫。放置。
なんていうのがしばらく続いたので、もう仕方ないけど従うことにしました。








でもおかしいでしょう?
大好きなピーマンを炒めるとNG。
きんぴらはOK。ごぼうを炒めたものですけど?
お肉を炒めたものはOK。お肉の野菜巻きも大丈夫みたい。
もちろん、家で食べる分には全く問題なし。
なんか。。。気持ちのモンダイ???
なんつって言い始めるとまた責めてる感じになるので、あ、やめとこう。

繊細な夫が職場でメンタルちょいちょいやられながらお昼にお弁当を開けて
汗をダラダラ流しながらもそもそと食べているところを想像して
なんか可哀想になってくるのです。



お弁当と言えば運動会〜!小学校の頃、ばあちゃんが持ってきてくれた重箱のお弁当、一番下の段におはぎがぎっしり詰まっていたなあ

 

お弁当でいろんなことが伝わります。
家族や同居している人の台所がそのまま小さな箱に入って、無機質な職場の休憩所で開陳されちゃう。
持たせる人や持っていく人のその日のやりとりや小さな言い争いや仲直りとかも入って。


つづく・・・
>>>次回は8/9頃に更新予定です。



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「次のリアル講座は10月に「味噌と麹」をテーマに行う予定です。」

日程は、10/21(金)、22(土)。
詳細はまた追って発表させていただきます~!
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●写真・文/川上夏子

■■プロフィール■■

●川上夏子(かわかみ・なつこ)
1974年福岡生まれ。グラフィックデザイナー。ではあるけれども、著作があり、スタイリングもやるし、料理家さんの日雇いアシスタントもやります。
日々マッキントッシュの前に座りながら、頭の中はほぼ「何を作り何を食べるか」でいっぱいであります。
アラフィフの入り口に立ち、いよいよ人生の総まとめとして「食べものの作り手」として本格的に仕事をしていきたいと考えています!趣味は健康管理。
[著書
『小夏を探す旅』(2020年)
『ぼくらのいえができるまで できてから』(2016年)
『福岡のパンとお菓子の小さなお店』(2013年)
『福岡のまいにちごはん』(2012年)