column
June 20, 2022
amo-amoの国のフーミン
vol.5 偉大なる編物記号の生みの親は、福岡出身だった!
「編み物」って、
なんか面倒くさそうなイメージですか?
たぶん…、そうですよね。
面倒くさがり屋で、間違っても几帳面とは言えない私が、
編み物だけには、忍耐強く一生懸命になれる理由。
それは、「編むこと」自体がもつ、
マジカルなパワーにあるような気がします。
このコラムでは、それがいったいどんなものなのか、
今話題の「ニットセラピー」という視点を交えながら、
実体験や等身大の感覚とともに紹介していきます。
あなたの毎日に、“編み物”という小さな種が、
ときめきの花と、
よろこびという大きな果実をもたらしますように。
by fumiyo osako
vol.5 >>>偉大なる編物記号の生みの親は、福岡出身だった!
こんにちは、編み物大好きFOOMIN(フーミン)です。
6月も半ば、すっかり梅雨入りしましたね。
外出するのもおっくうだし、何も予定がない日は、やっぱり部屋で編み物するのが一番。
とはいえ、今、本業が少し立て込んでいて、編み物学校の課題を間に合わせるだけで精いっぱい…。
編みかけ案件に手がつかないのがちょっとしたストレスだったりしています。
今回は、夏におすすめっぽい編み物アイテム「コットン糸のハンカチ」を編んで、
その使い心地をご紹介しようと思っていたのですが編む時間がない…。
そこで、急遽予定を変更して、最近知った“すごい人”についてご紹介したいと思います。
それは江藤春代という人です。
明治生まれの編み物講師で、明治、大正、昭和と日本での編み物普及に努め、
なんと現在の編物記号の元となる「合理的符合」を考案した方なのです。
たまたま調べもので行った図書館で見つけた
『江藤春代の編物普及活動 ―日本の編物の返遷―』(北川ケイ著 リフレ出版)
という本でその存在を知ったのですが、実はこの方、福岡県久留米市生まれ。
一時期、福岡市内の女子高で編み物や裁縫を教えたり、
薬院で編み物教室を開いたりもしていたそうです
(編み友サロン『amo-amo』をやっているcomogomoも薬院大通なので、勝手に親近感・笑)。
この本によると、編み物が本格的に日本にもたらされたのは1873(明治6)年。
キリスト教の宣教師たちによって、女性がその技術を生かして身を立てることができる手芸の1つとして、
レース編みや刺繍などとともに普及が始まったのだそうです。
江藤春代さんが生まれたのは1879(明治12)年で、
8歳ごろから編み物(かぎ針編み)をはじめたといいますから、
まさに日本の編み物史とともに歩んできた人といえますね。
その人生もなかなか波乱に満ちていて、26歳の時に夫に先立たれ、
裁縫や編み物の講師をしながら子どもを育てていたとか。
そして、1924(大正13)年、45歳のときに出版した編み物教則本のなかで
「合理的符合」を発表したそうです。
編み物をする人にとって、編物記号は言語のようなものです。
その言語のもとになるものが福岡出身の編み物講師によってつくられていたなんて、かなり驚きました。
もちろん編物記号は国によって多少違います(中には、編物記号を使わず、すべて文字で書かれていることも…)。
ただ、編み物をする人には、編物記号で書かれた「編み図」さえあればだいたい理解できるので、
そういう意味で編物記号は国や言語を超えて編み方を共有できる、
グローバルで偉大な発明といえるのです!
いうことで、これからは勝手に
「編み物の編み記号って、福岡の人がつくったらしいですよ」とPRしていきたいと思います!
どうしてって…?
それは単に、福岡在住の編み物好きとして、なんだかとっても誇らしいから(笑)。
■□■編み友『amo-amo(アモアモ)』~7金アモアモ~のお知らせ■□■
7月の毎週金曜(17:00~22:00予定)に、
誰でも気軽に楽しめる『amo-amo BAR』を計画しています。
これまで、土曜や祝日のお昼に開催してきた『amo-amo』ですが、
7月のみ、サロン形式からBARスタイルへ。
平日の夜にちょっとだけ、という方にも楽しんでいただければと思います。
初めての方から補講希望の方まで、
より、ゆるっと編み物体験をしてみたい方にオススメです。
詳細は6月下旬に発表予定。
編むものは「モチーフ」中心となりますが、
リクエスト、ご質問 等あれば、お気軽にお問合せください。
補講の方は、モチーフ以外の編みかけを持って来ていただいて大丈夫です(^^)。
◎WEBサイト:「contact」のメールフォーム →☆
◎Email:info@monokoto-madein.jp
●文/FOOMIN
■■プロフィール■■
●大迫 章代(FOOMIN/フーミン)…『amo-amo』幹事、編み物ナビゲーター。
編み物好きな叔母の影響で幼い頃から編み物に親しむ。タウン誌の編集者、映画パブリシストなど、30代まで編み物とは無縁の生活を送っていたが、40代で休業し渡英したことをきっかけに編み物熱が再燃。暮らしの中に編み物がある豊かな時間を多くの人に伝えたいと思うように。
帰国後は、フリーライター、編集の仕事をしながら、編むことで日々を癒すヒーリングニッターを目指す。現在、福岡市内を中心にゆるっと活動中。
つづく・・・
>>>次回は7/14頃に更新予定です。
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