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column

January 17, 2022

いいにおいのする台所研究所 連載 第38回
【おせち教室ルポ】 みんなで作れば怖くない

ワクワク。

場所の名前は、「いいにおいのする台所研究所」。
ここで私が皆さんと食べものの話をするのです。
誰に気兼ねすることなく、
最初から最後までずっと食べものの話をするのです。

ドキドキ。

ここでしばらく時間をかけて趣旨説明をします。
これを読んで、そういうことなら私も食べものの話をしに行きたいな、
と思ってくださったらば、あなたもどうぞスタジオへお越しください。
by natsuko kawakami







38)【おせち教室ルポ】 みんなで作れば恐くない


明けまして(随分経ちますが)おめでとうございます!!!
本日のレポート内容が内容だけに、なんとなくちゃんと新年のご挨拶をば。

毎回、講座の最後にアンケートを書いていただくのですが
「日本の伝統料理を」という声がちらほらとあるので
満を持してのおせち、ということで、
昨年末11月から12月にかけてコツコツと準備しまして
無事の開催となりました。

よく考えたらすごく年が迫った折だったので参加が難しい、という方もおられました。
日程、テーマともに、広く皆様にご愛顧いただけるようにするの、難しいもんですね。

 



さささ、今回も私のためにさまざまにお骨をお折りくださった伊藤さんに
レポートをお願いしようと思います!
いつもすんまっシェ〜ん!



。°+°。°+ °。°。°+°。°+ °。°。°+°。°+ °。°+ °。°


いえいえ、それはお互いさまということで、、、
しかしながら、年末年始のやることの多さと時間の流れの速さよ。
毎年のことですがびっくりでしたね。ほんと、毎年びっくりしている不思議。
…というわけで、サイト更新が遅れて申し訳ありません(涙)。

ここからはわたくし、伊藤がお届けします。



■■『家庭料理としてのおせちと巻き寿司』
   by いいにおいのする台所研究所 ■■

12月17日(金)の回…午後の部、夜の部
12月19日(火)の回…午前の部


いつものごとく、参加者同士の自己紹介から始まったワケですが、
これがもう面白くて!!!

自分と「おせち」について、さらに年越しやお正月の過ごし方など、
簡単にお話いただいたのですが、全然、簡単に終わらない。
ツッコミどころ満載。もっと聞きたい!もっと広げたい!などなど、
本当に千差万別。家の数だけあるそれぞれのお正月のカタチ。
この話だけで、ひと講座できるのでは?な勢いでした。

おせちを作ったことが一度もないという方から、
ご実家や、嫁ぎ先のおせちを引き継がれているという方まで、
幅広い参加者がいらっしゃいましたが、皆さん和気あいあいと
いろんな情報交換をしながら楽しんでいらっしゃいました。


以下、写真とともにルポをお贈りします。


※写真は12/17、19の回が混ざっています

ウェルカムドリンクは所長お手製の『カボスネード』。「これ、美味しい!!どうやって作るんですか?」という質問が多かったので、以下、レシピも掲載しておきます。



■カボスネードの作り方
①カボスをよく洗って皮ごと薄くスライスします。
②同量の砂糖と、シナモンスティック、クローブを適量全て清潔な瓶に入れてフタをし、常温で置きます。
※スパイスはホールで入れるのがおすすめです。
※カボス5個ならシナモン1本、クローブ5個くらいでいいでしょう。
③砂糖が溶けたら冷蔵庫へ入れて保管しましょう。
④飲むときは、ザルでこして、ホットにしたり炭酸で割ったり、色々楽しめます。




今回もマスク着用&ソーシャルディスタンスで。 遠目でわかりにくいですが、所長も透明のマウスシールドを装着しています。マスクってやっぱり少し息苦しいですよね。皆さま、いつもご協力をありがとうございます。



 

 
『田作り』は、オーブンと鉄のフライパンを併用。




 



『伊達巻』は、はんぺんを使わず、木綿豆腐で。

「あ、それはこういう感じで~」
「手を上に添えて下は回すだけにするとラクですよ」などなど、
参加者同士で教え合っていただいたおかげで、すりこ木の使い方もみるみる上達!


きれいな「の」の字(「の」の字以上?)が出来ました♪



 


『数の子』は、新鮮な数の子の選び方や、皮の剥がし方、
『昆布巻き』は、具や結び方、形の整え方など、
気になるポイントをギュギュギュっと押さえて駆け抜けた実技。

所長が1ヵ月かけて前準備をしてきたおかげで、
最後の盛り付けまで、ひとり&一日では、辿り着けないおせち料理の数々を体験していただけました。



『海老の煮つけ』のエビでは、下処理の仕方なども

『花れんこん酢』や『梅花人参』の飾り切りを、急遽、図解。 かく言う私も、デモンストレーションに加えて、図でも見れるとかなり理解が早まりました。

これが『梅花人参』。普段はしないような飾り切りも、やってみると食卓が本当に華やぐのを実感。



 


結構、難航した『巻き寿司』。
この日は、所長が予め準備した酢飯と具(卵焼き、かんぴょう煮、椎茸煮、ちくわ煮、青菜)を
海苔にのっけて巻くだけでしたが、この「巻くだけ」が難しい。。
やったことがある人、ない人で、手際がぱっかり別れました。

ほら、あれですよ。鉄棒の逆上がりに近い感覚で、一度出来てしまえば掴めるあの感じ(私談)。

その日作った料理以外にも、所長の内職でたらふく準備されたあらゆるおせち料理たち。 重箱か大皿か選んで「盛り付け」の実技に突入~。

皆さん真剣。「壱の重・弐の重~」「三種盛」「平皿盛り~」「市松・段取・手綱~」など、簡単なレクチャーをした後は、特に見本もなく、自由に盛り付けていただきました。「なんだか工作かアートみたい」「すごく脳が活性化した」など、目をキラキラされていた方も。

 


 

思い思いの盛り付けで、フィニッシュ。
写真は一例ですが、最初は恐る恐るという方も、創作意欲で吹き飛ばし、
ゴールは本当に皆さん、素晴らしかったです。
(海老の向きなどはご愛敬で)



こちらはおまけの【夜の部】ショット。




川上所長からの振る舞い酒『若波スパークリング』(若波酒造/福岡)と、
秘密のお雑煮が登場。
出し汁に餡子餅が入っている、という、まるでドッキリのようなお雑煮ですが、
所長のご実家のお正月はいつもこのお雑煮だったそう。
昆布に干し椎茸、するめから取った出汁で、動物性の具は使わない。
「だから、餡子ともマッチするのかも?」とのお話。
参加者の皆さんにも好評で、
しょっぱいと甘いが交互にくるせいか、スルスルと食べられてしまいました。

以上、写真&ルポからお返ししまーす!



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あ〜〜〜。やっぱ楽しかった!!!

それにしても毎回毎回こうやってなんらかのバイキング形式に持っていってしまう自分が恨めしい。
準備も当日も片づけも大変に決まってるのに、なんかやっちゃう。
それもこれも、講座に来てくださった方に「これだけ?」ってがっかりされないようにという
私なりの仕掛けというか、あがきというか。

まあ、ここまでやって、それでやっと自分が満足しているのだと思います。

次はね、何をやるかというとね、うんとね、すごく迷っています。
次回のコラムはその辺から始めようと思います。

ありがとうございました!!!



最後は、おひとり分のおせちをひととおり、お持ち帰り用BOXに詰めて、持って帰っていただきました。





<メイドイン編集舎より>
第4回リアル料理教室『家庭料理としてのおせちと巻き寿司』
無事に終了いたしました!

今回も気づきの多いリアル教室となりましたが、
個人的に思ったのは、「おせちは誰かと、あるいはみんなで作りたい料理だな」と。

作り方は地域や家庭それぞれですし、正解はあってないようなもの。
普段はやらないような、下準備や細かい作業もあったりなかったり…(や、ありますけどね)。
おせち作りって、気軽に「やろう」と思えるものでもないですよね。

でもそれを誰かと、ワイワイ分かち合いながら、教え合いながら、
雑談なんかも交えながらやれると、すごくいいな、と。

全部作れなくても、3品だけ手作りしよう。

ひとつかふたつを受け持って、出来たものを持ち寄ろう。

そのうち得意料理が出来て、
「あなたの田作りすごく美味しいよね」
「私の伊達巻と交換して」
な~んて言われると、田作り長者になれるんじゃない?…などなど、

昔はそれが、大家族や親戚一同でやってたことなのかもしれません。

暮れの元気なご挨拶、みたいに(親戚じゃなくても)集まれる、
「よーし、今年も一丁やるか」と気合いが入る、
面倒くささより、ワクワクが勝つイベントのように、
おせち作りがなっていくのもよい気がしました。


今回もしっかり“感染症対策しながら”のリアル教室。
皆さま、ご協力をどうもありがとうございました。

本当ならマスク越しでなく、とってもいい匂いをかぎながら、
みんなでどんどん味見をして、ワイワイ語り合えるような、そんな教室にしたいのです。
そんな本来のカタチに早く出来ることを願いつつ、、

今年もどうぞよろしくお願いいたします。





以下、終了後のアンケートより一部抜粋。
感想など、ご参加の方々の声を掲載させていただきます。


・タイムリーでよかった!

・大切な基本から学べました。

・気になりつつも、ちゃんと勉強したことがないおせちのことが知れて良かったです。


・家でも作れそうなので、いいと思いました。

・いろんな豆知識を知ることができた。

・すごく良かったです。(以前の)お正月のことをいろいろ思い出して切なくなりました。

・希望していたメニューもあり、楽しく学べました。

・「伊達巻き」は買って食べたことしかなかったので、作れることに感激しました。

・他の方々の盛り付けを見られるのが面白かったです。

・久しぶりに充実した自分の時間を持てました。

・とってもわかりやすい。本ではなかなかわかりにくいので、話が聞けてよかった。

・たのしく、おいしく、ゆっくりできました。




次回の開催も予定しておりますので、
引き続き『いいにおいのする台所研究所』をよろしくお願いします。



つづく・・・
>>>次回は1/25頃に更新予定です。


前の記事を読む>>>『いいにおいのする台所研究所』



●写真・文/川上夏子

■■プロフィール■■

●川上夏子(かわかみ・なつこ)
1974年福岡生まれ。グラフィックデザイナー。ではあるけれども、著作があり、スタイリングもやるし、料理家さんの日雇いアシスタントもやります。
日々マッキントッシュの前に座りながら、頭の中はほぼ「何を作り何を食べるか」でいっぱいであります。
アラフィフの入り口に立ち、いよいよ人生の総まとめとして「食べものの作り手」として本格的に仕事をしていきたいと考えています!趣味は健康管理。
[著書
『小夏を探す旅』(2020年)
『ぼくらのいえができるまで できてから』(2016年)
『福岡のパンとお菓子の小さなお店』(2013年)
『福岡のまいにちごはん』(2012年)