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column

February 23, 2021

いいにおいのする台所研究所
第17回 バレンタインも作り散らかしてます!

ワクワク。

場所の名前は、「いいにおいのする台所研究所」。
ここで私が皆さんと食べものの話をするのです。
誰に気兼ねすることなく、
最初から最後までずっと食べものの話をするのです。

ドキドキ。

ここでしばらく時間をかけて趣旨説明をします。
これを読んで、そういうことなら私も食べものの話をしに行きたいな、
と思ってくださったらば、あなたもどうぞスタジオへお越しください。
by natsuko kawakami






17
)バレンタインも作り散らかしてます!


毎年正月のバタバタが終わる頃、私のバレンタイン活動は始まります。
今風に言えば「バレ活」? ないか。ないな。
主な活動は、「今年は何作ろうかな〜」とモゾモゾと動き出すことであります。

今年はまずレモンケーキをやろうと思っていました。
旅先で絶対寄る道の駅。
家族はどこからか見つけてきてカゴにレモンケーキをぶっ込んできます。
家族①も家族②も。

そんなに好き?レモンケーキ。
てか、なんで必ず道の駅にレモンケーキ置いてあるの?知らんけど。

私の分も買ってくれるのでいつもご相伴に預かるのですが
レモンといってもあの形だけで、あんまりレモン味しなくないですか。
レモンケーキと謳うからには、バターたっぷりの焼き菓子を口に放り込んだ瞬間
唇をぎゅっとすぼめるような酸味があってもいいんじゃないでしょうか。
こちとらすでに梅干を見たときのように溢れる唾液でいっぱいというのに(なんかすみません)。

それで、そういうのが作れないかなと思ったのです。

となるとまずは欲しくなってくるのがあの型。レモンの形の。かわいいやつ。
毎日メルマガがガンガン送られてきて垂涎しちゃう「製菓材料・ラッピングのcotta」でゲット。
はっきり言ってめちゃ高いですよ。なんかプロ仕様の。小降りのレモンケーキが16個焼ける。
しかしその頑丈で、間違いなくうまいものが焼けそうな雰囲気をかもす型に早くも成功の予感。
レモンは早々に国産無農薬をたっぷりと調達したしね。

レシピは大体、本とネットで調べたものを自分なりにミックスして編み出します。
自分好みのレシピというのは案外その辺には転がっていなくて、どれも帯に短し襷に長し。
使いたい材料とか、手持ちの道具とか、理想の見た目とか、食べたい食感とか、出来上がりの量とか
そういういろんな都合のアイダをとって、ベストレシピを考えるわけです。
結局、今回算出したレシピの、更に3倍量のレモン汁と皮を削ったものを生地に加えることにしました。


焼き菓子は型に左右されるだけあって、生地の焼き上がりは最高。
焼き菓子特有のこっくり感と、その向こうにジューシーなレモンの酸味と風味が両立していて
これはかなり理想の出来となりました。
ありがとう、高級型。あと何回焼けば元が取れるのか。
余った生地を普通に大きなマフィン型に流して焼いた分ももちろんうまい。

鼻のいい家族はさっそく焼き立てをつまみ「レモンやね!」とおいしそうに食べる。
いやいや待たんかい。これからうれし恥ずかしホワイトチョコのコーティングをするっちゅーに。
家族①も②も時間差でしかも同じ顔で「小さい方なら食べてよかろ?」と聞いてくる。
そして気がついたらレモン型の方は残り少なくなってきている!!!
いやいや待たんかい。食うならおっきい方にしてくれ。小さい方がレモンの形で本番やっちゅーに。

お願いだから私にレモンの形の方をかわいくコーティングさせてくれぇぇぇ。

 




ふう。

それからね、バレ活と銘打ってるからにはこれだけでは終わりませんよ。
2月14日、という目標の日は大体でしか捉えてなくて、とにかく2月中にやたらめったら作り散らかす。
テーマは一応チョコレート。一応ね。
製菓用チョコを1キロとかアーモンドパウダーとか買い込んでしまうのでもう大変なのです。

今年のラインナップは、以下の通り。

 

栗のチョコチップタルト。アーモンド生地に同量の栗のペーストを混ぜ込んでいて栗感がハンパない

りんごのガトーショコラ。普通にガトーショコラを作っていたら、コンロに朝方傷みかけたりんごを甘く煮たのが目に入り、そのまま生地にイン。とろーり甘いチョコ生地に酸味を残したりんごのアクセント。うまいですよそりゃ

お茶のパウンドケーキ。今回買っておいて使わなかった生クリームをバターの代わりに入れた手軽なパウンド。お茶は頂き物をミルで粉にして入れた。これはホワイトチョコが合う

栗のタルトの余った生地でクッキーを焼く。裏に余ったホワイトチョコを塗ったら自家製アルフォートのできあがり

父の畑で取れた落花生を自家製ピーナツバターに

そのピーナツバターをたっぷり入れたアメリカンクッキー。上に乗ってるのはチーズではなくこれもホワイトチョコ

合間で作ったグラノーラ。レーズン、デーツ、クコの実、ドライパイン、ドライパパイヤ、アマランサスなどハンパに残った冷蔵庫のあれこれをたっぷり入れて

おまけのかんころ餅。もはやチョコレートは関係ない。父の畑の芋を天ぷらにしたらちょっとなあ、って感じの出来で余ってしまったので、父には申し訳ないが次の日餅米と一緒に炊いて、かんころ餅にした

 


どうですか、この軽くコラム2回分はある内容を一挙公開する太っ腹。

もちろんこれを2月半ば現在、全部食べ尽くしたわけではないのですが
毎日毎日量産されるお菓子に、結構なハイペースで食いついてくるウチの家族。

そう、あの人たちはダイエットに縁のない人たちなんです。
仕方ないので私は、せっせと動く。そしてまた作り散らかす。
そしてそろそろ私のバレ活2021も終わりを告げるのでありました。

 



■■第二回講座
『鍋炊き玄米と、あの台所道具とともに生きていく』■■

日時】
2021年1月17日(日)   →3/14(日)に延期 ※満席です。
2021年1月19日(火)   →3/16(火)に延期 ※残り2枠です。

◎イベント詳細はコチラをご覧ください →


ご予約の方には、延期のお知らせと一緒に「振替」or「キャンセル」を確認させていただいています。
3/14(日)は満席のため受付終了。
3/16(火)のみ、2枠空きが出ましたので、再募集させていただきます。
ご希望の方は、イベント詳細をご確認の上、お申込みください。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、再び講座を延期・中止・変更することがあります。 
その際は、お知らせいただいた[連絡先]にご連絡いたします。 




鍋炊き玄米と、あの台所道具とともに生きていく



つづく・・・
>>>次回は2021年の3/9頃に更新予定です。


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●写真・文/川上夏子

■■プロフィール■■

●川上夏子(かわかみ・なつこ)
1974年福岡生まれ。グラフィックデザイナー。ではあるけれども、著作があり、スタイリングもやるし、料理家さんの日雇いアシスタントもやります。
日々マッキントッシュの前に座りながら、頭の中はほぼ「何を作り何を食べるか」でいっぱいであります。
アラフィフの入り口に立ち、いよいよ人生の総まとめとして「食べものの作り手」として本格的に仕事をしていきたいと考えています!趣味は健康管理。
[著書
『小夏を探す旅』(2020年)
『ぼくらのいえができるまで できてから』(2016年)
『福岡のパンとお菓子の小さなお店』(2013年)
『福岡のまいにちごはん』(2012年)