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column

January 08, 2019

くじゅうの麓、白丹のルスカ scene9
【1月】 真冬がやってくる

冬の夜明けは特に美しい


【1月】 真冬がやってくる

夜明け前に目覚め、ルスカの窓から星の瞬きが見えた。

すぐさま車に乗り込み、高原へと走らせる。
エンジンが温まる前に高原を見渡す高台に到着し、しばらく赤らみはじめた東の空を眺めながら撮影。
遠くに見える山々の麓にはうっすら朝霧が漂っている。
やがて枯野の向こうから朝陽が顔を出し、霜が降りた白い道を照らしはじめる。

 

朝方に見られる白い道

 

足元には小さな氷の柱がいくつもできていた。
よく見ると一つ一つの柱の上に土を載せている。
地中の水分が凍って出てくるという不思議な現象らしいけれど、踏めばサクサクと音をたてる。
この時季特有の軽やかなる地面の音。

 

高原のいたるところで見られる氷の小さな柱

 

本格的な冬がやってくる。

そして気温が下がるにつれ、なかなか白丹に行けなくなってくる。

福岡からだと山を越えるため道路の問題もあるし、
何より白丹という地域は久住の中でも寒い場所として知られている。

どういう地形が寒さに関係しているのか分からないけれど、
とにかく昨年の冬はあまりに寒すぎて春まで来ない方がいいと地元の方から言われるほどだったのだ。
マイナス15度くらいの日が数日続いたそうで、水抜き作業をしていたにもかかわらず水道管2か所破損していた。

とはいえ比較的温かい日を選んで白丹に出かけるようにしている。
先日は確かに寒かったけれど、夜はマイナス3度くらいだった。
このくらいの寒さなら特に問題はない。

ルスカの裏窓を開けると冷気の中でイルミネーションに輝く家が見える。
小さな集落だけれど、この夜の輝きが冬の夜の気持ちを明るくさせてくれる。

ルスカ付近をウロウロしていた猫たちも冬はこの家に避難しているという情報をきいた。
ちょっと安心。

 

ルスカの裏窓より

 

登山好きの方にとっては待ち望んだ季節となる。

冬山はそれなりの装備と経験が必要になるので軽い気持ちでは行くことはできないけれど、
僕も山小屋勤務時代は雪山によく登っていた。

普段見ることのできない光景に出会えるので登る価値はあるだろうけれど、あくまで無理は禁物。
本音のところは温泉にでも浸かりながら雪山を眺めているのがベストかも。

 

雪の久住山

 

白丹の雪景色も楽しみだ。もちろん行ければの話だけれど。




【今日のルスカ】




●写真・文/川上信也
 

■■プロフィール■■
●川上信也/フォトグラファー。1971年愛媛県松山市生まれ。
福岡大学建築学科卒業後、大分県くじゅうの法華院温泉山荘に1997年より5年間勤務。その間にくじゅうの風景写真、アジアの旅風景を撮り続ける。
その後福岡でプロ活動を開始し、様々な雑誌の撮影に関わり、風景のみならず、自然光を生かした人物、建築、料理など、様々な撮影を行なっている。
ライフワークとして九州の自然風景、身近な人々のポートレートを撮り続けており、定期的に写真集を出版、写真展やトークショーを開催している。
◎webサイト:『川上信也 Photographer』⇒ https://shinya27.wixsite.com/kawakami