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November 03, 2025
季節の副菜と台所道具[第12回]
11月…わさびでピリッ!里芋の煮っ転がし
旬の食材を使って
ひと手間かけて作られた副菜は
立派なごちそう。
便利・時短が当たり前の時代ですが
家庭料理と、消えつつある優秀な台所道具たちを
ちょっと見直してみませんか?

刺身、蕎麦、寿司…。和食になくてはならないわさび。一体誰がこのわさびを料理に使おうと最初に思いついたのでしょう。子供の頃はあのツンと鼻にくる香りに涙目になりながら鼻をつまんでキャーキャー騒いでいたのに、いつしかコレがないと物足りなくなりました。今回は生の本わさびをとびきりおいしく擦ることができる鮫皮のおろし器をご紹介します。
第12回
11月…わさびでピリッ!里芋の煮っ転がし
やっと暑さが落ち着いて、さあ、これから秋を満喫、と思っていたらいきなり冬のような寒さ。
体調など崩していらっしゃいませんか?
店先に並んだ野菜や魚もいつしか秋模様。
寒くなるとお野菜がグッと甘くなるし、お魚も脂が乗って美味しくなります。
このお刺身に是非添えたいのが擦りたての本わさび。
擦りたては香りが高くて辛さもまろやかなんですよ。
わさびは元々山間のキレイな水の渓流に自生する香辛野菜。
江戸時代ぐらいから今の静岡あたりで栽培されるようになりました。
わさびは金気を嫌うお野菜で、本来は金属製のおろし器でおろすのはオススメしません。
だから専用のおろし器があるのですが、ご存知でしょうか。
わさび専用のおろし器は、桜や檜の板になめした鮫の皮を貼ったものです。
元々は江戸時代に宮大工が木の表面を加工する為に、板に鮫の皮をはった道具を使っていたそう。
これを見た料理人が「これでわさびを擦ったら細やかなわさびが擦れるんじゃないか」って思いついて使い始めたのが始まり。
実際このおろし器でおろすととてもキメが細やかでふわ〜っとクリーミーな香り高いわさびが出来上がります。
わさびは生魚を食べた時の食中毒を防ぐ効果だけでなく、
鼻にツンとくるあの独特の辛い香りが食欲をそそり、消化を助けてくれる優れもの。
この辛み成分は揮発性なのでテーブルで食べる分だけ擦っては食べ、擦っては食べ、が理想的。
秋の夜長に日本酒の熱燗と美味しい刺身。
擦りたてのわさびを添えれば・・・サイコー! ですね。

■鮫皮のおろし器
私のおろし器は14cm×9cm。このくらいのサイズが使いやすいです。鮫皮のおろし器は繊細なので、わさび以外(生姜とか大根とか)には向かないようです。

鮫皮のおろし器で擦る時は力を入れず、「の」の字を書くようにまぁるくまぁるく優しく擦りましょう。キメが細やかで香り高いわさびができます。
■□■里芋の煮っ転がし(わさびのせ)■□■
【材料】
●里芋 100g
●出汁 200ml
●砂糖 大1
●味醂 大1
●塩 小1
●醤油 大1/2
●本わさび 適宜
【作り方】
①里芋をたわしで洗い、皮を厚くむく。
水に5分ほど漬け、アク抜きする。
水を捨て、塩で揉んでぬめりを取る。
② ①を鍋に入れ、出汁、調味料を入れて柔らかくなるまで煮る。
③ ②を皿に盛り、上に擦った本わさびを乗せる。

■里芋の煮っ転がし(わさびのせ)
里芋の皮は上下をカットし、側面を6面剥いて切り口を六角形にするとおもてなし料理に。お節料理を作る時はこの切り方でカットしましょう。
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●文・写真/高木尚子
■■プロフィール■■
●高木尚子…家庭料理愛好家
20代から約30年間、料理研究家・桧山タミに師事。
『97歳料理家桧山タミ先生の台所おさらい帖』(文藝春秋/2023年発行)で料理を担当。
2023年博多大丸で開催の『桧山タミ台所展』企画・主催メンバー。
雑誌にレシピ提供、不定期に料理教室開催。3児の母。
つづく・・・
>>>次回は12/2頃に更新予定です。
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