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June 02, 2025
季節の副菜と台所道具[第7回]
6月…梅でさっぱりネバネバ和え物
旬の食材を使って
ひと手間かけて作られた副菜は
立派なごちそう。
便利・時短が当たり前の時代ですが
家庭料理と、消えつつある優秀な台所道具たちを
ちょっと見直してみませんか?

写真は、今の家に越してきた時に庭にあった、1本の梅の老木の実。庭師さんからは「実がなるのは難しいかも」って言われたけど、頑張って最後にこれだけ実をつけてくれました。宝物です。このくらい熟れた梅は梅干しにすると柔らかく出来上がります。出始めの頃の青い梅だとカリカリに。今年はどんな梅仕事をやろうか…
第7回
6月…梅でさっぱりネバネバ和え物
ついに「梅雨」の足音が聞こえてきましたね。
6月から7月にかけて長雨が続くし、気温も25度前後でムシムシ。
ツラい・・・。食中毒にも警戒しなくっちゃいけません。
食べ物の管理に神経使いますよね〜。
この時季に立派な実をつけるのが、そう、「梅」。
こんな湿気の多い季節でもしっかりと実をつけるなんて
なんて素晴らしいんでしょう!
梅はモンスーン気候の地域が原産なので元々雨にはとっても強いのです。
実にはクエン酸やリンゴ酸がたくさん含まれてて殺菌作用も強い。
だからこそ!だからこそ梅仕事をする時に注意しないといけないのが「ザル」です。
梅仕事には陰干しや土用干しといった工程があって、必ず「ザル」を使います。
学校の理科の時間に習ったでしょう?
“酸”は金属と反応しやすいと。
なのでこの時期だけ、梅干し用には金属製ではなく、竹の大きなザルが出回るのです。
他にも金気のものを嫌う食材はいろいろあります。
例えばレタスやキャベツ、ナス…etc.
包丁で切った断面が変色しやすいものは大体金気を嫌う食材です。
なので料理をする時、洗ってザルにあげて水切りをしたい場合には、
竹ザルを使ってあげると、きっとお野菜たちも喜ぶはず♪

■日常よく使うザルたち①
平ザルは茹でた青菜を冷ますのに大活躍!深いザルは洗ったレタスなどの水切りに便利です。取手のついた小ぶりのザルはとっても便利なんだけど、最近はあんまり売ってません。
お米を研いでザルにあげる場合も。
プラスチックや金属のザルだと上部はすぐに水が切れますが、ザルの底の方はベチョベチョ。
お米の吸水にムラが出てしまいます。
冬の寒い時期ならいいんですが、これからの季節、
この状態でしばらく放置すると下の方からお米が痛みやすくもなります。
でも竹ザルは!殺菌作用がある上に通気性、吸水性もバツグンなので研いだお米の状態が全然違います。
足のはやい魚の下処理の時にもこの竹ザルが大活躍です。
魚は調理する前に塩を振って臭みの元となる余分な水分を出すと、生臭さがグッと減ります。
ちょっとした一手間ですが、これが料理の味を大きく左右します。
竹は殺菌作用もあるし、塩にも強いので安心です。
竹ザルは影の立役者なのです。
私は20年ぐらい前から竹ザルをせっせせっせと集め始め、
お米用、お魚用、お野菜用と用途に合わせて買い揃えてきましたが、
最近はザルを編む職人さんがめっきり減ってきています。
もっと言えば竹林を管理する人も減ってきています。悲しいことです。
もしどこかで竹ザルを見かけたら、試しに1つだけでも買って使ってみてください!
この良さがきっとわかってもらえるハズ。
10年後にはもっと買いづらくなるかもしれませんよ(涙)。

■日常よく使うザルたち②
左は魚用のザル。上は足がついていて通気性抜群な水切りのザル。右下のザルは米研ぎザル。

■日常よく使うザルたち③
作家モノのちょっとおしゃれなザル。お素麺やうどんを乗せてそのまま食卓へ。
■□■ 梅でさっぱりネバネバ和え ■□■
【材料】
●オクラ 8本
●しめじ 適宜
●長芋 50g
●茗荷 1〜2本
●梅肉 大1
●砂糖 大1
【作り方】
①オクラ、しめじを塩茹でする。オクラは斜めに二等分か三等分する。長芋は千切りにする。
②梅肉と砂糖を混ぜ、①を和える。皿に盛る。
③茗荷を小口切りし、水に5分つけてアク抜きする。ザルにあげる。②にトッピングする。

オクラや長芋のネバネバにはペクチンやムチンがいっぱい。まだ夏の走りではあるけれど、これから迎える夏に備えてせっせせっせと食べましょう!梅パワーも加わって疲労回復や整腸作用のお助けマン。

梅干しだけを食べるのが苦手な人は、ぜひ料理の調味料として使ってみて!砂糖と合わせると甘酸っぱくなって食べやすくなります。今回は梅と砂糖を和え物に使いましたが、スライスしたゴーヤを炒めて味付けに 使ってみるのもオススメです。
つづく・・・
>>>次回は7/2頃に更新予定です。
●文・写真/高木尚子
■■プロフィール■■
●高木尚子…家庭料理愛好家
20代から約30年間、料理研究家・桧山タミに師事。
『97歳料理家桧山タミ先生の台所おさらい帖』(文藝春秋/2023年発行)で料理を担当。
2023年博多大丸で開催の『桧山タミ台所展』企画・主催メンバー。
雑誌にレシピ提供、不定期に料理教室開催。3児の母。




