column
January 10, 2025
季節の副菜と台所道具[第2回]
1月…銅の卸金でふんわり大根おろし
旬の食材を使って
ひと手間かけて作られた副菜は
立派なごちそう。
便利・時短が当たり前の時代ですが
家庭料理と、消えつつある優秀な台所道具たちを
ちょっと見直してみませんか?

大根、蓮根、里芋・・・。冬は根菜が美味しい季節。根菜は体を芯から温めてくれるスグレモノ。 煮物の時には落とし蓋をしましょう。煮る食材が固定され、ぶつかり合って煮崩れするのを防げるし、煮汁の蒸発も防ぎます。そして煮汁を対流させる事で均一に料理全体を仕上げてくれるのです。
第2回
1月…銅の卸金でふんわり大根おろし
もうかれこれ30年ほど前になるだろうか。
年末、ある方のお宅で正月用の餅つきに参加をさせてもらった。
それまではスーパーで買ったパックのお餅、よくて餅屋の餅しか食べたことがなかったのだけど。
つきたてのお餅、食べたことあります??
もう、口に入れた瞬間、とろ~んととろけて
「え?何なに??この美味しさ!お餅ってこんなにクリーミーなの??」とびっくりおったまげーでした。
大根おろしを乗せて、上から橙を絞って醤油を垂らした餅は特に衝撃的な美味しさ。
あれをもう一度食べたいがために今だに年末になると石臼と杵を買おうかと悩むほど。
1つだけ残念だったのがその時の大根おろし。
その時の卸金がプラスチック製で・・・。
大根おろしというのは大根の種類は勿論、
どの部位を使うのか、おろし方、卸金の種類で随分と味が変わります。
シンプルなものだからこそ、神は細部に宿る、という言える料理です。
その時の大根おろしはスーパーとかで売っているプラスチック製。
おろし方を駆使してなんとか出来る限りの仕上がりにしたのですが・・・やっぱり限界が。
卸金の中ではやっぱり銅製の物が王様です。
銅の卸金でおろした大根おろしはきめが細かく、雪のようにふわっふわに仕上がります。
それもそのはず。
銅の卸金は職人さんが一つ一つ丁寧に立てた鋭い刃のおかげで大根の細胞が潰れにくい。
だから大根からあまり水が出ない。
大根おろしそのものに水分と旨味が残るのでふわっふわで濃厚な味わいになるのです。
おろす時は決して強く力を入れることなく、優しくやさ~しく。
そして上下ではなく、おろし板の上で時計回りに円を描くようにおろしましょう。
ここ、ポイントです。
そうすると大根の甘さが引き立ち、新雪のようにきめ細やか~な大根おろしが完成するのです。
銅の卸金、ホント、サイコー。
お正月のお餅が余っている人は是非お試しあれ。

■銅の卸金
様々なサイズがありますが、私が愛用しているのはH28cmxW14cm。
表裏どちらでもおろすことができます。表は木目が細やかに、裏は粗くおろせます。

■大根
大根おろしなら根の上部1/3の部分がオススメ。糖度が高くあまい。繊維のキメも細かいです。

大根をおろす時は力を入れず、優しく優~しく。 そして時計回りにま〜るくま〜るくおろします。 ふわっふわな大根おろしの出来上がり。 お醤油をかけてほかほかご飯に乗せればお茶碗何杯でもいけます⁈
■□■タコのマリネおろしポン酢のせ■□■
【材料】
●タコの足(ボイルしたもの) 1本
[A]
●塩 小1/2
●酢 大1
●オリーブオイル 大1
●砂糖 ひとつまみ
●大根おろし 適宜
●ポン酢 適宜
●小ネギ 適宜
【作り方】
①[A]をよく混ぜておく。タコを食べやすい大きさに切り、[A]でマリネする。
②大根をおろす。ザルにあげ、軽く水気を切ったら①にのせる。
上からポン酢をかけ、小口切りした小ネギをトッピングする。

■タコのマリネおろしポン酢のせ
マリネするのが面倒な場合はボイルしただけのタコでもオッケー。 タコがなければお刺身やしゃぶしゃぶした薄切りの豚肉も美味しいですよ。味付けはシンプルにお醤油で!
つづく・・・
>>>次回は2/2頃に更新予定です。
●文・写真/高木尚子
■■プロフィール■■
●高木尚子…家庭料理愛好家
20代から約30年間、料理研究家・桧山タミに師事。
『97歳料理家桧山タミ先生の台所おさらい帖』(文藝春秋/2023年発行)で料理を担当。
2023年博多大丸で開催の『桧山タミ台所展』企画・主催メンバー。
雑誌にレシピ提供、不定期に料理教室開催。3児の母。




