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ユニバーサルデザイン鑑定家兼鍛冶職人見習いの浅草ケンヂがバリアフリーでもユニバーサルでもない、「思いやり」デザインについて講義します。Vol.2森正洋のユニバーサルな器たち美しく機能的な森正洋のデザインファンシーカップは全部で6種類。今から40年以上前の1969年に作られたとは思えない斬新なデザインで、2006年にGマーク選定されている。浅草ケンヂの思いやりデザイン講座まさひろ16年前、僕は交通事故で右足を失いました。現在は義足にて日常生活を送り、〝段差?のない社会づくりをめざし活動をしています。3年前からは博多鋏の鍛冶職人のもとに弟子入りし、失われつつある伝統工芸の再生にも取り組みはじめました。そんな僕が名付け親となって提唱するのが〝誰のために?〝何のために?を中心に考えるデザイン・コンセプト〝思いやりデザイン?です。ここでは、僕が選んだ〝思いやり?を感じられる品々を見ていただいて、その言葉の意図するところを、ひとりでも多くの方に共感していただければ幸いだと考えています。今回紹介させていただくのは、森正洋氏の作品です。彼のことは、長崎県波佐見町にある『白山陶器』にて社員デザイナー時代の1958年に制作した「G型しょうゆさし」で第1回グッドデザイン賞を受賞された方、といえばご存知の方も多いのではないでしょうか。2004年には『無印良品』の「和の食器」シリーズをプロデュースされたことでも有名です。2005年に永眠するまでに制作された作品は、Gマーク選定品だけでも110点以上。快適さと美しさを兼ね備えた〝日常の器?は今も食卓の定番として愛されています。森氏は生前「私のデザインポリシー」と題された文のなかで、こう語っています。「日常の生活で使う器を考え、形を創り、工場で生産することにより、多くの人々とともに共有し生活することに、デザインの喜びを感じる」。日本の伝統ある陶磁器の世界にモダンデザインの風を吹き込み、国内はもとより国際的にも高く評価されたプロダクトデザイナーでした。42