madein201112

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作る楽しさを知った。バイト先の百貨店で陶芸展を覗いていた時、後にお世話になる信楽焼の福田英明さんと出会う。「陶芸は量産仕事のほうが多いし、大変やぞ。食えたとしてもお金持ちにはなれん。それでもやりたければ連絡しなさい」。厳しい言葉を受け止め考えた末、決意を固めた馬場さんは、卒業後、修行に入る前に海外の陶磁器を見ておきたいとフランスへ渡った。南仏・ブルゴーニュ大学で語学を学びながら、北欧、ドイツなどの窯元をめぐる中では、華美な装飾のものやシステマティックな食器を目にすることが多かったという。出た答えは、「長く使って器を育てていくような、中国や日本の陶磁器のほうがずっと好きだ」ということだった。帰国後は、信楽の窯業試験場の小物ロクロ科を経て、量産の食器を作る丸十窯で3年、釉薬がけとロクロの修業を積み、その後、師と仰ぐ福田さんの窯元・草土窯へ。薬がけや窯炊きのコツなど陶芸家として必須の技術を会得。1年が経った頃、後継ぎの話も出たそうだが、〝自分の焼きもの?が作りたいと独立の道を選んだ。鈴製の取っ手土瓶。取っ手の部分も自作している。8400円。マットや白磁つやなど、シンプルなリム皿は普段使いの代表格。39