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作品を生む工房があるのは公園のような〝お山?最後に、伊藤さんが作品を制作している工房をのぞいてみよう。そもそも、ギャラリーとカフェ『SUNNY SIDE WORKS』を併設したこの工房こそが〈JOICE ?〉の本拠地であり、毎月第3週の週末限定で〈JOICE ?〉の名でオープンもしている。工房は、同じ早良区内とはいえ〝山間?の、広い敷地の片隅にある。「父が工務店をやっていて、その資材置き場だったんです」と伊藤さんが語るその敷地は、広い草地に見事な眺望が楽しめる、まるで公園のようなところ。〈JOICE ?〉のファンは〝お山?と呼び親しんでいる。「現在は月に一度だけのオープンですが、小さなお子さんを自由に遊ばせたり、カップルで来て過ごされたりと、いろいろな楽しみ方をしていただいています」。伊藤さんは25歳で早くもこの地に工房を構えた。もともと絵が好きで、小学生の頃、体験教室で絵付けをしたのが焼き物との出会い。中学時代には初めて自分で焼いた。高校卒業後、造形系の大学へ。「大学を出たあと、何人かの先生の下で勉強したんですが、100%自分の作品と呼べるものを早く作りたくて(笑)。独立してすぐの頃は、食べていけず生活は苦しかったけれど、とても楽しい時期でしたね」。〈JOICE ?〉のブランドコンセプトは〝食事を楽しく?。このコンセプトも、幼少期の体験から生まれている。「子どもの頃、家に住み込みの職人さんが30人もいて、大皿料理を大人数で取り分けながら全員で食べるんですよ。なので、私にとって食事はいつもにぎやかで楽しいものだったんです」。そんな伊藤さんが、父親から譲り受けた場所に工房を構え、食卓を彩る器を作っている―。これはもう必然の流れだったのかもしれない。14