想いにふれる メイドイン

ツクツクボウシが鳴いてるね~

column

June 17, 2017

itonao’s memo③
コーヒーセレモニー at マスカル珈琲

■『マスカル珈琲』店主・宮﨑良子さん
20代半ばの頃、2007年9月からJICAボランティアとしてエチオピアへ。 2010年より『珈琲美美』で修行し、2014年12月に『マスカル珈琲』を開業。

 

 

コーヒー発祥の地、エチオピアで
今も続くコーヒーの流儀

2017年5月11日。
博多駅南にある『マスカル珈琲』で
コーヒーセレモニーなるものを体験しました。

待ちに待ったこの日。
…というのも、ここマスカル珈琲でコーヒーセレモニーが催されるのは月に1度だけ。

コーヒー発祥の地、エチオピアのお正月が9月11日であることにちなんで、
毎月11日だけ、この特別な儀式を執り行なっているのです。

つまり月に一度しかチャンスがない!
それは平日だったり休日だったり、定員も6名までと狭き門。
 
私の場合、3月に知人から話を聞いて、4月は予約が埋まってたので、5月になりました。
待つのが苦手な博多っコとしては、
充分「待ちに待った」と言えるのではないでしょうか。

そしてついに当日。
以下、私の目線のままの画像&簡単ルポでお贈りします。

 

 

1.セレモニースタート
エチオピアの民族衣装で登場した、店主の宮﨑良子さん。
ブロックが敷かれた床にはセレモニーの道具が直置きされています。
エチオピアでもこのようにして、テーブルなどは使わないそう。
参加者はその周りを囲むように、大小さまざまな形の椅子に座りました。
この日の参加者は私と知人2人、ご近所の塾の先生とそのお知り合いの方、
佐賀でコーヒーショップのスタッフをされているという女性の計6名。

 

 

2.生豆を煎る
洗った生の珈琲豆を、七輪で熱した鉄板の上で煎ります。
この段階では、色も香りもまだコーヒーという感じはありません。


 

 

3.ポップコーン(ファンディシャ)登場
お茶菓子的なポップコーン(=“ファンディシャ”と呼ばれる)が振舞われます。
エチオピアでは、コーヒーセレモニーは日常のものらしく、
家族はもちろん、知人や客人にも「お茶をどうぞ」という感じで気軽に行なわれるものだそう。
コーヒーが淹れられる間は、お菓子をつまんだりお喋りしながら、ワイワイ過ごします。


  

4.焙煎
煎っているうちに、豆がだんだんとコーヒー色に変わってきます。
この辺りからは匂いもコーヒーらしい、香ばしい香りが漂い始めます。


 

5.豆を捏ねる、突く(挽く)
焙煎が終わったら、“ムカチャ”と呼ばれる木臼に豆の半分を移して、
“ゼナゼナ”という棒状の杵で捏ね、突きます。
これが「コーヒー豆を挽く」行程となります。

 

 

 

6.湯を沸かす
なんとも愛らしい形状の素焼きのポット(=ジャバナ)を火にかけてお湯を沸かします。

 

 

7.そしてまた突く
お湯を沸かしている間も、ひたすら突く。
ここが最も重労働ですが、お喋りしながら手を動かすので楽しく進みます。
エチオピアの文化や暮らしのこと、コーヒーのこと、宮﨑さんのこと…。
エチオピアってどんなところなのか、宮﨑さんはエチオピアでどんなことをしていたのか、
などなど、参加者からの質問も尽きません。


 

 

8.抽出
お湯が沸いたジャバナに挽いた豆(コーヒーの粉)を入れて、再び火にかけて煮出します。
杵と臼で突いた豆は、ところどころ粗めではありましたが、思いのほかきちんと粉になっていました。


 

 

9.2回目の豆突き
残り半分の豆をまた木臼に入れ、今度は参加者のみんなに回しながら突く。
ザクザクと豆を潰している感覚が手に伝わってきます。

 

 

10.挽けた豆をジャバナに足す
2回目の豆突きが終わったら、さきほどのジャバナに足して、またまた火へ。
そのまましばらく沸騰させます。

 

 

11.香を焚く
待っている間にお香を焚いてくれました。これは乳香といって、樹木の樹脂を固めたものだそう。
スモーキーで少しスパイシー、ほんのり甘い香りもして、なんとも穏やかな気持ちになります。

 

 

12.ジャバナを火からおろして傾けて置く
ジャバナを火からおろして、“マトット”と呼ばれるジャバナ置きの上へ。
こうやって傾けてしばらく置くことで、粉がポットの底の一ヵ所に溜まるので、
フィルターなしで珈琲が注げます。おしりが丸いのはこのためなんですね~。

 

 

13.コーヒーを注ぐ
セレモニー用の小ぶりの茶碗を並べて、出来上がったコーヒーを注ぎ分けます。
ここで驚いたのが、砂糖の数。
「エチオピアの人は基本、3杯くらいは入れる」ということ。
この小さな茶碗に3杯…。ざわつく参加者たち。

 

 

14.1杯目を飲む
「まず1杯目は、現地の味を味わってもらうために
 砂糖を2杯ずつ入れてお出ししています」と宮﨑さん。
2杯目と3杯目は“砂糖少なめ”や“ブラック”など、各自の希望を聞いてもらえます。

気になるコーヒーの味は…思ったより飲みやすい。
というか美味しい!えぐみもなく濃すぎない。
甘さも大丈夫でした。(こりゃ砂糖3杯でもイケるかも?)

もうだいぶ飲んでからの1枚

 

 

15.歓談タイム
コーヒーを味わいながら、エチオピアのお話の続き。
*「コーヒーセレモニー」は、エチオピアの家庭でコーヒーを淹れる時の一般的なスタイルであること。
*大抵は女性の役目であること(お母さんや娘が淹れる)。
*エチオピアはアフリカ大陸で唯一、一度も植民地支配を受けなかった独立国であること。
(これについては「短期間ではあるが占領された」など、諸説あるそうです)

などなど、初めて聞くエチオピアの話はどれも新鮮でした。
一番興味深かったのは1年が13ヵ月あるという「エチオピア歴」。
毎月が30日。それが12ヵ月続き、最後の月(13ヵ月目)だけが5日となる、という話で、
エチオピア歴でいうと、新年は日本(グレゴリオ歴)の9月11日に始まるそうです。

 

 

 

16.2杯目
コーヒーセレモニーでは、全部で3杯のコーヒーをいただきます。
私はそのままの味も味わってみたかったので、2杯目は砂糖なしでお願いしました。
ブラックでも濃すぎず、酸味も気になりません(あんなに煮出してるのに不思議)。
ここで『マスカル珈琲』オリジナル、宮﨑さんお手製のコーヒー味のシフォンケーキも登場。
しっとりふわふわで、コーヒーにとても合います。ペロリとたいらげちゃいました。


 

 

17.3杯目
3杯目は砂糖1杯でオーダー。「最も人気」と言われる配分だそうです。これもスルスルと完飲。
あんなに粗々しくというか、原始的な行程で淹れられたコーヒーがこんなに口にやさしいとは。
すべて手仕事で煎ったり挽いたり、1つずつ進んでいくのを見ているからでしょうか…。

ー自分のための1杯(本当は3杯)ー
それがコーヒーを飲んだ時の味わいや充足感に繋がっているのだと思いました。

 

 

18.セレモニー終了
コーヒーセレモニーはこれで終わり。
セレモニー体験には、3杯の珈琲と2種のお茶菓子、
宮﨑さんのエチオピアやコーヒーのお話まで付いて一人400円でした。

安い!安すぎないか!? と心配になりますが、
「いいんです。これはこれで。はい…。
 そもそも、現地では“おもてなし”としてやっていることなので…」と宮﨑さん。

エチオピアにいた時、現地の人たちからよくしてもらったことから、
日本でもエチオピアの文化やコーヒーのことを少しでも伝えられれば…と始めたことだそう。

当面はこのスタイル&価格で続けるつもり、と話されていました。

コーヒー発祥の地、エチオピアに思いを馳せながら
いつもより少し特別なコーヒーを味わう。
そしてたっぷりのおもてなしの心を受ける…。

そんなコーヒーセレモニーの幸福なひとときを、
皆さんも過ごされてみてはいかがでしょう。


 

■終了後、記念撮影をさせていただきました。

写真は手前が宮﨑さん。左奥から、エディター仲間の阿部さん、宮本さん、私(伊藤)

この日はお休みモードの店内。もともと事務所使用だったマンションの1階を、ほぼ自分の手で改装したそう

 

 

 

■マスカル珈琲
住所:福岡市博多区博多駅南4-16-14 BE-IN 101 →MAP
電話番号:092-260-8321
営業時間:9:00~18:00
定休日:月・火曜

【コーヒーセレモニー】
・毎月11日に開催(予約制)
・1日2回(10:00~/14:00~)
・定員…各回6人まで
・所要時間…1回につき、約2時間程度。
・参加費…一人400円

※コーヒーセレモニーのある11日は、通常営業はお休みです。