column
April 28, 2016
季節のうつわと皆敷
其の七:皐月(さつき)
豆皿六種
皆敷:蓬(よもぎ)の葉
皐月
今回の「熊本・大分地震」で被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。
私の息子も熊本の学校(の寮)で今回の地震を経験しました。
息子のお友達も被害に遭われています。
被害を目の当たりして、とても、とても胸が痛みます…。
私たちにもできる事を探して熊本、大分を応援したいと思います。
季節は五月。とてもいい季節になりました。
山の木々たちはここ1ヵ月でグンっと育ってます。
(草も物凄い勢いで生えてきています。)
いつも このコラムをつくる時は、
器、葉っぱ、盛り付けるものを同時に考えながら、選ぶのですが、
今回は葉っぱを先に決めました。
皆敷は「よもぎ」を使ってみようと思いました。
よもぎの特徴を“メッセージ”として、どうしても添えたかったからです。
よもぎは街中でも簡単に見つけることができます。
香りとほろ苦さ、葉っぱの形の面白さが特徴です。
この時期は天ぷら、おひたしなどとして食べることもできます。
またよもぎは、横に横に根を張りめぐらせ仲間をつくり、
力強く繁殖していくたくましさを持った草でもあります。
器は今回「豆皿」。
どれも明治期から昭和期にかけての物です。
骨董としては決して上等ではありませんが、今とっても人気のお皿です。
サイズがマメマメしくその様が何とも可愛い。
自分なりに思いをめぐらせ、好きなように使ってみたくなる。
どんどんアイデアが湧いてくる、そんな魅力が豆皿にはあるように感じます。
元々骨董(器)の楽しさはこういった“見立てる楽しさ”にあると私は思います。
どうぞ色んな使い方で楽しんでください。
●写真・文/三嶋亜希子
■■お知らせ■■
【催事】
●2016年4月29日(金)~5月1日(日)
毎年GWに開催されている「有田陶器市」(今年は4/29~5/5)。その期間中、4/29(金)~5/1(日)に『杜鵑草』が催事を行ないます。
場所は『有田 賞美堂 本店』にて。※詳細はコチラをご覧ください →☆
●2016年5月14日(土)~16日(月)
東京催事。「第7回 骨董で楽しむイタリアン」を開催します。
下目黒のアトリエ『リストランテ・リッツ』にて。※詳細はコチラをご覧ください →☆
■■プロフィール■■
『器と、そのまわり 杜鵑草(ほととぎす)』代表。骨董商。器コーディネーター。
幼 い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。短大卒業後、広告制作会社、広告代理店勤務などを経て、器コーディネーター へ。2013年より骨董商として始動。現在は骨董商でありながらも、皆敷(※)のスタイルを用いたテーブルコーディネート等、福岡を拠点に活動中。
◎webサイト:『杜鵑草』⇒ http://hototogisu.me/
(※)皆敷(かいしき)とは
器に盛る食べ物や、神饌(しんせん)の下に敷く木の葉や紙のこと。
山の葉や野の花を料理に添えて、季節感や清潔感を表すもので、日本料理の大切な特色の一つと言われる。